2011年08月10日 10:44 公開

「納豆を食べてはいけない」のはどんな人?

ワルファリン服用者―作用が低下、血栓形成も―

 体に良いといわれる納豆には大量のビタミンKが含まれるため、食べてはいけない人がいる。慶応義塾大学病院(東京都)輸血センターの半田誠・助教授は「ワルファリンという薬をのんでいる人は、納豆を食べると血栓ができる可能性があり、危険です」と話す。

薬の働きを邪魔する

 血液には、けがなどをして出血してもすぐ止まり、固まる性質がある。しかし、血液の状態によっては、この性質が血の塊である血栓を作る。血栓は体内を血流に乗って運ばれ、肺や脳に達して梗塞を起こすことがある。ワルファリンは、こうした血栓を防ぐ抗凝固薬だ。

 「血液を固める因子の中には、ビタミンKの助けがないと働けないものがあります。ワルファリンは、間接的にビタミンKの働きを邪魔して、血液を固まりにくくすることで血栓を防いでいます」と半田助教授。

 しかし、一度に大量のビタミンKを取ると、薬の作用が極端に低下し、たった一度でも血栓ができてしまうことがある。

納豆巻き一口でも厳禁

 納豆はビタミンKの含有量が多く、簡単に大量に取れてしまう。腸の中でも多くのビタミンKを合成するので、ワルファリンをのんでいる人は納豆を食べられない。納豆巻き一口でも禁止だ。

 ビタミンKは、ホウレンソウやブロッコリー、パセリ、シソ、ワカメやヒジキなどにも含まれるが、納豆ほど多くは含まれていないので、これらの食品によってビタミンKを一度に大量に摂取することはない。半田助教授は「食事には野菜や海藻類が欠かせませんが、薬の効き方にも影響するので、毎日、一定の量を心掛けてください」と言う。

 ワルファリンの処方対象は、人工弁置換手術を受けた人、深部静脈血栓症(主に肺塞栓)、心筋梗塞、心房細動などの患者のほか、先天性の血液の病気にも使われることがある。

 また、クロレラ、アロエ、青汁も納豆同様に大量のビタミンKを含んでいるので、注意する必要がある。

2002年6月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)