2011年08月11日 10:44 公開

薬による発疹―放置すると全身に拡大

漢方薬やビタミン剤でも起きる可能性

 薬は副作用を伴うことが多いが、誤解されがちなのが薬疹(やくしん)。そのほとんどはアレルギー反応によるもので、薬を長年使用していて何事も起こらなくても、ある日突然、皮膚に発疹が生じる。それを薬の副作用と気付かない人も多いが、どの薬でも起きる可能性がある。

20年間常用していた薬でも

 薬疹は、薬を服用後、はしかのような発疹が皮膚や粘膜に生じる副作用。日本医科大学多摩永山病院(東京都)皮膚科の藤本和久部長は「どんな薬でも起こり得ます。本来、異物である薬を治療や検査目的で体内に取り入れるわけですから、用いているうちにアレルギー反応によって薬疹が起こっても不思議はありません。にもかかわらず、誤解が多いのも事実です」と話す。

 薬疹は、例えば、漢方薬やビタミン剤でも起きる。アレルギー反応が生じるまで最短で1週間前後だが、20年間常用していた薬で突然起こるケースもある。

 「このため、使用中の薬と発疹とを結び付けられない人が多いのですが、放置していると、発疹は全身に広がります。また、粘膜に発疹が出た場合は、肝障害など他の臓器にまで障害が及んでいる危険性があるので、薬を用いていて発疹が出たときには、迷わず主治医に相談すべきです」(同部長)

服用薬持参し受診を

 それによって薬疹が疑われる場合は、皮膚科の専門医を紹介してもらうとよい。市販薬によるケースでは、服用中の薬を持参して最寄りの皮膚科を受診すべきだ。

 「発疹が治まるまでは、パッチテスト(いろいろな物質を皮膚に張り、アレルギーの原因物質を調べる)などの検査はできないので、原因の薬剤を特定できませんが、病歴と発疹の出方で診断はほぼ付きます。治療は、原則的に使用中の薬をすべて中止し、違う系統の薬に変えるのが第一です」(藤本部長)

 それが不可能な場合は、どうしても必要な薬だけを服用する。こうした治療で発疹が消えてから、初めて原因薬の検査を行う。

 同部長は「検査で原因薬が分かれば、アレルギーカードを作ってもらうかメモしてもらい、次回から薬の処方を受けるときには、必ずそれを提示すると再発予防になります」とアドバイスする。

2002年4月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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