2011年08月11日 10:44 公開

発汗、喉が渇く、暑さがこたえる...バセドー病を疑って

若い女性に多い「甲状腺機能亢進症」

 ひどく汗が出る、喉が乾く、手が震える、暑さがこたえるなどの症状がある人は、甲状腺機能亢進(こうしん)症の疑いがある。この病気の大半はバセドー病で、目にも異常が伴う。甲状腺機能亢進症について注意すべきことを、東京女子医科大学内分泌内科の對馬敏夫教授に聞いた。

頻脈や息切れも

 甲状腺は、喉仏の下辺りにあり、全身の新陳代謝を調節する甲状腺ホルモンを分泌しているが、甲状腺機能亢進症は、この甲状腺ホルモンの分泌が多過ぎるために起きる。

 「甲状腺機能亢進症の人のうち、95%近くがバセドー病です。この病気は自己免疫疾患の1つで、特に多い20歳代の若い女性では、1,000人に20人ほどの割合で見られます」と對馬教授。

 甲状腺機能亢進症の人には、日常的に、運動した直後のような症状が起きる。例えば、汗をかきやすく、暑さがこたえ、頻脈や息切れがあったり、精神的に落ち着きがなくなったりする。体重が減少することもある。バセドー病では、このほかに喉の腫れや目の異常が伴う。

 「目の異常は、具体的には眼球が突出する、物が二重に見える、眼球の動きが悪くなる、まぶたが腫れる、目つきが悪くなる―といった症状です」(同教授)

妊娠、出産への影響ない

 こうした症状が1カ月以上続いたときは、バセドー病を疑って、内分泌内科か内分泌代謝科を受診した方がよい。診断は、症状と血液検査で行う。

 「バセドー病は、若い女性に多い病気だけに、妊娠、出産について心配する人が多いのですが、適切に治療すれば、母子共に問題はありません」(對馬教授)

 治療法は、(1)甲状腺の一部を切除する手術、(2)抗甲状腺薬を用いる内科的治療、(3)放射性ヨウ素を服用し、甲状腺の組織を壊す放射線療法―の3つがある。

 「妊娠中の女性には、放射線療法は適用しません。日本では内科的治療を行うことが多いのですが、抗甲状腺薬の服用は、2~3年続ける必要があります」(同教授)

 これに対し、手術による治療は早く治るが、喉に手術跡が残る。このように、それぞれの治療法にはメリット、デメリットがあるので、治療を受ける際は医師とよく相談して選択するとよい。

2001年6月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)