2011年08月15日 10:44 公開

皮膚のシミを塗り薬で解決! 小じわも改善

レチノイン酸外用剤

 気になる顔のシミや小じわを、塗り薬で取れないものか―。こんな悩みを持つ人に、東京大学医学部形成外科の吉村浩太郎講師は、レチノイン酸の外用剤(塗り薬)を用いた治療を行っている。

コラーゲンを増やす

 顔にできるシミには、老化による老人性色素斑(はん)、日焼けややけど、けがなどの炎症後にできる炎症後色素沈着、生まれつきのあざである扁平(へんぺい)母斑などがある。

 これらを取り除くには、一般にドライアイスや液体窒素で凍らせる冷凍療法、レーザー治療、ケミカルピーリング、手術などが行われている。しかし、「できれば塗り薬で簡単に取れれば」と希望する人は多い。

 吉村講師は、こうした人の治療に自家調合したレチノイン酸を用いている。「レチノイン酸はビタミンAから作られたもので、皮膚の表皮の細胞分裂を早め、表皮の下の真皮の張りを保つコラーゲンを増やします。シミは、程度にもよりますが、レチノイン酸を塗った後1カ月ほどで目立たなくなります」と言う。

 同講師は、レチノイン酸を用いて染みの治療をした167人(男性27人、女性140人)を、シミの性質、部位ごとに分け、12週間以上追跡調査をした。

現在は健保の適用外

 その結果、改善率は老人性色素斑で84.7%、特に顔にできた染みは97.4%と、高い効果が認められた。炎症後色素沈着では87.9%、扁平母斑では63.6%だった。

 副作用として、皮膚炎が起こり、肌が赤くなることがあったが、赤くなった部分は、薬を塗って数日後には表皮がむけ、その後はつるつるになる。

 しかし、動物実験では、レチノイン酸を大量に使った親から生まれた子供に、先天的な奇形が発生していることが報告されている。このため、吉村講師は「塗り薬なので副作用の危険性はあまりないが、患者には治療中だけ避妊するよう指導している」と話している。

 レチノイン酸は、欧米や香港などでは治療薬として認可されているものの、日本では認可されていない。治療費用は、健康保険の適用がなく、月に2~3万円かかる。

 同講師は「レチノイン酸は、特にシミを取るのに効果が高いが、肌を若返らせる作用もあり、小じわを改善して張りを取り戻します。医師の指導を受けながら使ってほしい」と話している。

2000年9月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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