2011年08月16日 15:34 公開

首の靱帯が骨のように硬くなる「頸椎後縦靱帯骨化症」

首や肩が凝る、手足がしびれる―50~60歳代に多い―

 首や肩が凝ったり、手足がしびれたりする「頸椎後縦靱帯骨化症(けいついこうじゅうじんたいこつかしょう)」。特に50~60歳代にかけて多い病気だ。

進行すると歩行障害も

 頸椎後縦靱帯骨化症は、首の骨と骨をつないで支えている靱帯が骨のように硬く変化し、脊髄を圧迫する可能性が高い病気。東京女子医科大学八千代医療センター(千葉県)の伊藤達雄院長(整形外科教授)によると、日本人の約3%に見られるほど多いという。

 「原因はよく分かっていませんが、遺伝的要素が強く、日本人や日系人に多いのが特徴です。このほか、糖尿病や頸椎への過度の負担なども指摘されています。いずれにせよ、中年以降、特に50~60歳代にかけて起こりやすい病気です」と同院長。

 初期症状は、首が硬くなって動きが制限され、首や肩が凝る。脊髄に障害が起こると、手足のしびれ感が生じたり、ボタンがはめづらい、はしをスムーズに使えないといった、細かい動作が困難になる症状が起きることもある。さらに進行すると、つまずきやすい、速く歩けないといった歩行障害が見られ、最終的には頻尿、排尿に時間がかかる、漏らすなどの排尿障害を伴う。

首を反らさないように

 徐々に進行するが、日常生活に支障を来す前に最寄りの整形外科、できれば脊椎の専門医に診てもらった方がよい。診断は、レントゲン検査と特有の神経症状で付く。

 「脊髄症状が出てくれば、手術を要するケースもありますが、大半は日常生活での自己管理を基本とした保存療法で経過観察を行います。適切に自己管理するには、病態を十分理解して、次のような点に注意することが大切です」(伊藤院長)

  • 高い所をふくなど首を反らす動きをしない
  • 冷やすと血行が悪くなって症状が悪化しやすいので冷やさない
  • ラグビーなど首に負担が掛かるスポーツは避ける
  • 頭をかもいにぶつけないようにするなど、外傷に注意する。

 同院長は「それでも手術が必要な場合は、必ず専門医に受けるように」とアドバイスしている。

2002年1月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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