2011年08月16日 16:35 公開

鼻が赤くなる「酒さ」―強い日差し避けよう

食事にも注意を

 痛くもかゆくもないのに鼻の辺りが赤くなる―。こうした症状が続くと、何か悪い病気の兆候ではないかと心配する人もいる。これは「酒さ」という炎症性疾患で、俗に「赤鼻」と呼ばれる。強い日差しに当たると炎症が進むので注意が必要だ。

女性にも見られる

 酒さは鼻の頭やその周りの毛細血管が拡張し、皮膚が赤くなる炎症性の病気。病変部の状態によってⅠ度からⅢ度まで分けられる。

 Ⅰ度は「紅斑(こうはん)性酒さ」ともいって、赤みだけが目立ったり、少し太めの血管が拡張して赤い糸くずのように見えたりする。

 Ⅱ度は紅斑に加え、同じ部分ににきびのようなぼつぼつが多数見られ、一部は化膿(かのう)して膿疱(のうほう)の状態になる。また、病変が次第に口の周りや頬に拡大していく。

 Ⅲ度は鼻全体が赤く、硬く盛り上がって、いわゆる鼻瘤(びりゅう)を形成する。これは炎症を繰り返していたために、皮膚の深いところの組織が増殖して硬くなったもので、ここまで進むと元には戻らない。

 日本人の場合、Ⅲ度は極めてまれで、ほとんどがⅠ度。それも中年男性に多いのだが、最近は女性にも見られるという。

こまめに洗顔を

 酒さはその病名から、ともすれば飲酒と結び付けて考えがちだが、原因はまだ分かっていない。ただし、この病気は鼻を中心に両頬にかけて毛穴が拡大し、そこから脂腺で作られた皮脂が多量に排せつされる人に多い。このため、皮脂の分泌を高めるアルコール、香辛料、さらに油っこい食べ物や甘い物などは悪化させる原因になりかねない。

 こうした食べ物はいずれも常識の範囲内では問題ないと思われるが、大量に取るのは避けた方がよい。また、日差しが強くなる季節には、直射日光は炎症を悪化させるので避けるべきだ。それには、外出時に帽子や日傘を用いるとよい。女性の場合、ファンデーションなどを塗って日差しを防ぐと、毛穴を詰まらせるのでよくない。

 Ⅰ度ではこうしたケアに加え、こまめにせっけんで顔を洗うとともに、にきび用の硫黄を含んだローションを用いる。さらにビタミンB2やB6を服用すると効果的だ。

 血管が完全に浮き出してしまっているケースでは、皮膚科で血管を固まらせる「電気凝固」をしてもらうと少しは目立たなくなる。Ⅱ度の場合は、治療に抗生物質を用いるので必ず皮膚科で診てもらうことが必要。このほか、重症例では角膜炎を合併することがある。光がまぶしいといったような症状を自覚したら、迷わず眼科を受診することが勧められる。

2003年10月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)