2011年08月23日 11:04 公開

赤ちゃんの上手な抱き方とは?

「コアラ抱っこ」がお勧め―股関節脱臼の予防にも

 赤ちゃんの体は柔らかく、下手な抱き方をすると壊れてしまいそうで怖い―。特に、初めての子供を持ったお母さんにこんな悩みが多い。石田診療所(京都府)の石田勝正院長(整形外科)は「赤ちゃんとお母さんが向かい合い、お母さんの腰にまたがらせる『コアラ抱っこ』がよい」と勧める。

母子密着で心も健康に

 石田院長が勧める赤ちゃんの抱き方は、赤ちゃんをお母さんと向かい合わせにし、お母さんの腰骨やおなかにまたがらせる。生まれて間もないころは、首が座っていないため両手で支える。お母さんが慣れてきたら少し斜めに向かい合わせにして片手で抱き、お母さんのひじを枕にして赤ちゃんの頭を支える。

 「これを『コアラ抱っこ』と呼んでいます。赤ちゃんは、ぬくもりと柔らかさのあるお母さんの胸に抱かれて圧力を受けていることで安心します。母子密着という好ましい初期の人間関係が成立し、赤ちゃんの心を健康に育てるスタートにもなるのです」(同院長)

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「抱き癖」は間違い

 コアラ抱っこには、赤ちゃんの股関節脱臼を予防できるという利点もある。赤ちゃんは胎内では脚を曲げており、少しまたを開いた形の癖が付いて生まれてくる。この自然な脚の形を、生まれてからいきなり伸ばすと、股関節脱臼を起こしやすい。

 石田院長らの調べでは、巻きおむつによって赤ちゃんの脚を生まれ直後に伸ばすようにしていたころは、股関節脱臼の発生率が生まれたその日の検診で約3%だった。しかし、股間だけのおむつによって脚を伸ばさないようにしたところ、発生率は約0.3%に激減したという。

 コアラ抱っこならば、赤ちゃんは脚を伸ばさず、自然な脚の形を維持しながら、お母さんとスキンシップが取れる。

 「『抱き癖を付けるな』というのは誤った言い伝えです。正しい抱き方でよく抱いてあげ、できれば、母乳を与えながら語り掛けてください」と同院長は話している。

2003年9月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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