2011年08月23日 11:04 公開

あなたのストレス対処能力は? 健康維持能力も分かる

周囲への信頼などで判定

 ストレスは誰にでもあるが、同じ場面に直面しても、人によってストレスを受ける度合いが異なる。このため、ストレスへの対処能力を測る"物差し"が注目されている。あなたはストレスに強いだろうか、それとも弱いだろうか―。

自分の感じ方を選択

 この物差しは、SOC(Sense of Coherence=首尾一貫感覚)と呼ばれる概念に基づき、イスラエルの健康社会学者が体系化したもので、29の質問から成り、1問につき1~7段階の点数が設定されている。それぞれの質問に対し、自分の感じ方を最もよく表している番号を選ぶ。合計点が高いほどストレスへの対処能力が高く、さらには健康維持能力が高いと評価される。

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 SOCについて研究を重ねている東京大学大学院健康社会学の山崎喜比古・助教授は「SOCは基本的に、生活にかかわりのある世界が首尾一貫していると感じている人は、スコアが高くなります。つまり、自分と環境との調和の度合いや、周りの人との信頼の度合いを測り、それが高いほど、ストレス対処能力や健康維持能力が高いというわけです。ただし、高過ぎる場合は、柔軟性や融通性に欠けるという問題もあります」と説明する。

 同助教授らが、東京都内の成人男女約200人を調査した結果では、平均スコアは135で、これを中心に±24の範囲内が普通で、160以上だとストレスに強いと言える。

子供時代の経験が影響

 ところで、どうしてストレスに強い人と弱い人がいるのだろうか。

 山崎助教授は「ストレス処理能力や健康維持能力は、持って生まれた気質以上に、後天的に獲得されると考えられています。特に、乳幼児期から思春期にかけての経験が大きく影響すると言えます。極端に言うと、そうした能力は、信頼できる経験の積み重ね、愛されていることを感じ取れる経験の繰り返しによって得られるのです」と述べている。

 例えば、幼児が寝る前にお菓子を欲しがるような場合、母親は、頭ごなしにしかるのではなく、「歯に悪いから寝る前はよして、あしたのおやつの時間にしましょう」と約束する。約束を果たせば、子供は我慢の必要性を知るとともに、我慢すれば良い結果につながることを学ぶ。

 子供は、こうした経験の繰り返しで親への信頼感を持ち、自主性が育って、ストレス処理能力を築くことになる。

2001年1月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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