2011年08月24日 17:36 公開

目の前を蚊のようなものが飛ぶ「飛蚊症」

網膜剥離の前触れの場合も

 目の前で蚊が飛んでいるように見える飛蚊(ひぶん)症は、心配する必要がないことが多いが、網膜はく離の前触れの場合もある。駿河台日本大学病院(東京都)眼科の佐藤幸裕講師は「光が飛んでいるように見える症状を伴ったら、早めに受診してほしい」と呼び掛けている。

硝子体が液化

 飛蚊症は、目の前を蚊やハエが飛んでいるように見えたり、糸くずや髪の毛が動いているように見えたりするもので、白い壁などを見ているときに自覚する場合が多い。

 目の球形を保っているのは、中心部にある硝子体。硝子体はほとんどが水分だが、液状ではなく、薄いゼリーのようなゲル状になっており、赤ちゃんの時の均一なゲル状から、10歳代以降はゲルの中に液状の部分が混じるようになる。

 硝子体は、加齢とともに液化部分が増加し、14~18歳では20%、80~90歳では50%が液化する。

 この液化によって、硝子体内に線維が増加したり、硝子体とくっついている網膜との間に水分が入り込んだりすると、飛蚊症が起きやすくなる。

 飛蚊症は加齢とともに起きる目の変化の1つで、10歳以上の誰にでも起きる可能性があるが、症状があっても問題がないことが多い。しかし、飛蚊症から目の病気が見つかる場合もある。

 日本眼科医会の調査によると、飛蚊症で受診した患者のうち、網膜剥離だった人が3%、網膜剥離が起きる前の症状である網膜裂孔だった人が7%見つかっており、ほかの目の病気だった人も数%いた。

視野欠損も急ぎ受診を

 飛蚊症を自覚した場合は、念のために一度受診した方がよい。また、心配ないと診断されても、その後、飛蚊症の様子に変化が起きたときは、もう一度受診することが大事だ。

 「必ず受診してほしいのは、光が飛んでいるように見える光視症を伴った人です。また、目にカーテンが掛かったように視野の一部が欠ける症状を伴っている人は、既に網膜剥離が起きている状態と考えられるので、急いで受診してください」と佐藤講師。

 光視症は、光の刺激がないのに光が飛んでいるように見えるもので、明るい場所で自覚する飛蚊症とは逆に暗い場所で自覚しやすい。光視症は、網膜裂孔の初期に起きる場合もある。

 視野が欠ける症状は網膜剥離に特徴的もので、上だけや下だけ、あるいは鼻側だけなど一部分の視野が欠ける。網膜剥離は急激に進行するので、緊急手術が必要になる場合もある。

2000年12月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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