2011年08月24日 17:36 公開
にゅうせんしょう(乳腺症)」に関連する記事です。

乳がんに似た「乳腺症」―しこりや痛みを感じる

多くは正常な体の変化

 乳房のしこりや痛みなど、乳がんによく似た症状が表れる病気として、乳腺症がある。乳腺症は、普通は心配しなくてよいものだ。

生理周期に合った症状

 乳腺は妊娠、出産したときに、乳を分泌する組織。乳房は、20歳代の女性では妊娠、授乳に備えてほとんどが乳腺組織で占められているが、閉経後の女性では役割を終えた乳腺組織が脂肪組織に置き換わる。

 30歳代から40歳代の女性の乳房はその間の過渡期で、乳腺組織と脂肪組織が交じった状態にある。乳腺は年を取るとともに硬くなり、しこりとして感じることがある。

 乳腺は一般的に、妊娠、授乳に備え、生理前に張ってくるが、生理が終わると元に戻る。若い時には、周りの組織も弾力性があって乳腺の変化に対応するが、30~40歳代になると、乳腺の変化を痛みとして感じるようになる。こうした変化は、女性の正常な体の変化で、通常は治療の必要がなく、病気ではない。

 乳房のしこりや痛みで診察を受けると、乳がんの可能性も考慮し、触診、マンモグラフィー(乳房のレントゲン撮影)、超音波などで検査する。確実な診断が難しければ、細胞を取って精密検査をする。がんでないことを確かめた上で2~3カ月間様子を見て、症状が生理周期と同調した場合に乳腺症と診断される。

半数以上は薬で改善

 乳腺症は、ひどい痛みが5~6カ月ほど続くようなケースについては治療が必要となる。治療法は、男性ホルモンの働きをする薬や、抗エストロゲン薬(女性ホルモンの1種である卵胞ホルモン=エストロゲンの働きを抑える薬)、鎮痛薬などの飲み薬で、2~3カ月使うと効果が表れる。

 これらの薬物療法は根本的な治療法ではないが、半数以上の人で症状は軽減する。まれに副作用として太ったり、肝臓に障害を起こしたり、血栓ができやすくなったりする。

 乳腺症の中には、ごくまれにがんに移行しやすいタイプもある。乳房にしこりや痛みを感じたら、まず外科医に診てもらうように。原因が不明なら、乳がんを専門とする医療機関で精密検査を受ける必要がある。

1998年8月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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