2011年08月24日 17:36 公開

その味覚障害、薬の副作用かも? 150種類で確認

降圧薬や利尿薬で多い

 味が分からない味覚障害に悩む人がいる。原因はさまざまだが、最も多いのは薬によるものだ。「味覚障害の原因となる薬剤は、分かっているだけでも150種類ほどあります」と、日本大学医学部(東京都)耳鼻咽喉科の池田稔・助教授は話している。

亜鉛が不足

 舌の表面は小さな突起に覆われているが、その中に味細胞が集まってできた味蕾(みらい)という組織がある。この味蕾が味を感じ、味覚神経を介して大脳に伝える役目をしている。

 こうした味を感じる経路のどこかに異常があると、味覚が低下する、全く味が分からない、特定の味だけ分からない、味を取り違える―といった味覚障害が起こる。この障害の発生率は、人口10万人当たり約140人の割合だ。

 「味覚障害の約75%は、味覚の低下あるいは味が全く分からないケースです。原因はいろいろありますが、薬剤による場合が約22%と最も多い。加齢とともに増加する傾向があり、70歳以上では薬剤性の味覚障害が3人に1人です」と池田助教授。これは、高齢になるにつれて薬を服用する機会が増えるためと考えられる。

 原因となる薬は分かっているだけで約150種もあり、降圧薬や利尿薬が多い。

 「亜鉛が不足すると、味蕾の味細胞に異常が生じることが分かっており、降圧薬や利尿薬は体内で亜鉛と結合して排出されることから、味覚障害を起こすと考えられています」(同助教授)

腎臓や肝臓の病気でも

 亜鉛の排出は、抗うつ薬や抗不安薬、抗生物質、抗がん薬などでも起きるという。

 「味覚障害は、どの薬で起きても不思議ではないのですが、薬剤以外にも亜鉛そのものの不足、亜鉛の代謝と関係する腎臓や肝臓の病気、糖尿病、さらに口内炎などの口腔(こうくう)内の病気でも起こります。味覚の異常を感じたときは、最寄りの耳鼻咽喉科で原因を調べてもらうことが大事です」(池田助教授)

 味覚障害の診断は、電気刺激や試薬を付けた濾(ろ)紙を用いた味覚検査、亜鉛の濃度を調べる血液検査で行われる。原因については、服用薬や病気の有無などで判断する。治療は原因によって異なるが、基本的には亜鉛の内服薬が用いられる。

 「薬剤性が疑われる場合は、できるだけ原因薬を減らすか中止して、他剤に変え、亜鉛剤を用います。その効果は、服用3カ月後ぐらいから出始めますが、治療開始が遅れると効果は上がりにくくなります」(同助教授)

 お年寄りは、味覚の低下を年齢のせいにしがちだが、生活の質を保つには、早期に受診した方がよい。

2003年3月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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