2011年08月24日 17:36 公開

目の前に稲妻が走る「閃輝暗点」にご注意!

片頭痛だけでなく脳循環障害で起こる場合も

 目の前に、きらきらとした稲妻のような光が見える「閃輝(せんき)暗点」。片頭痛の前兆として知られているが、慶応義塾大学病院(東京都)眼科の大出尚郎氏は「脳循環障害が原因で起こる場合があるので注意を」と警告する。

脳の血管が痙攣

 閃輝暗点は、目の前に稲妻のような光が見え、引き続いて物がゆがんで見えたり、目の前が真っ暗になったりする。大抵は両目同時に起こり、20分ほど続く。片頭痛では、閃輝暗点の症状が治まった後、引き続いて頭の片側にずきずきした痛みが生じる。

 これは、物を見る中枢(視中枢)がある後頭葉(脳の後ろの部分)に血液を送っている血管が痙攣(けいれん)を起こし、血流が減少するために起こる。痙攣が治まって血管が開くと血液が大量に流れ込むが、これによって頭痛が起きる。片頭痛は、10歳代から30歳代の若い年齢層に多く、1週間に1回や数カ月に1回など、定期的に起こる場合が多い。

 片頭痛は、閃輝暗点が起こった後、血管収縮作用のある薬を服用すると予防できる。閃輝暗点そのものを予防するには、逆に血管拡張作用のある薬を使うが、毎日服用しなければならず、吐き気や目まいなどの副作用があるので、予防のために薬を用いるのが必ずしも良いとは言えない。

脳腫瘍でも起こる

 片頭痛は、本人はつらいが、生命に危険を及ぼすような病気ではない。ただ、中高年で、閃輝暗点だけあって、その後に頭痛を伴わないような場合は要注意だ。血栓による一過性の脳循環障害が原因である可能性があるからだ。

 動脈硬化、高血圧、糖尿病、高脂血症、不整脈など、血栓を起こす危険因子がないかどうか、全身の検査を受けるとよい。また、まれに年齢とは関係なく脳動静脈奇形や脳腫瘍などで起こることもあるので、コンピューター断層撮影法(CT)や核磁気共鳴映像法(MRI)による精密検査を受ける必要もある。

 大出氏は「閃輝暗点が起こったら、眼科と内科あるいは神経内科のある総合病院で受診するとよいでしょう」と助言している。

2002年7月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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