応急手当て
2011年09月02日 16:03 公開

妊娠初期の出血 (応急手当て7)

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異常を示す信号-量と腹痛の有無が目安

 妊娠初期とは妊娠12週までのことをいうが、妊婦が妊娠初期に子宮から出血を起こすことは割合多い。緊急を要する場合もあるので、出血したら必ず産婦人科の診断を受けることだ。

流産の兆候も

 まず、基本的に知っておきたいのは、妊娠中の出血は、初期に限らず、また量の多少によらず、すべて異常の信号と考えて、必ず産婦人科を受診すること。

 妊娠初期の出血については、すでに産婦人科を受診し、子宮内の正常な妊娠と判断されているかどうかが問題となる。

 正常な妊娠と診断されたあとに出血があれば流産の兆候だが、多量の出血でなければ慌てる必要はない。安静にして様子を見て、しばらくしても腹痛や多量の出血がなければ、翌日の診療開始を待って、掛かりつけの産婦人科で受診する。多量でない出血とは、普通の生理時程度までの量だ。

 出血があった場合に疑われるのは、子宮内の赤ちゃんは元気だが出血している「切迫流産」と、すでに赤ちゃんがだめになっていてその結果として出血が始まった「流産」との2通りがある。「切迫流産」なら危険は少ないが、腹痛や出血がひどければ入院して治療が必要になることもある。

 「流産」なら掻肥(そうは=子宮の内容物を除去する)手術が必要となる。いずれにしてもその区別は医師の診断に頼ることになるので、必ず受診してほしい。

 妊娠の約1割が流産するといわれており、妊娠したとも分からずに流産しているケースも結構ある。流産は自然の摂理でもあるので、むやみに怖がらないように。

子宮外妊娠も

 一方、妊娠したかも知れない、妊娠した可能性がある、しかし正確な診断は受けていないという場合に出血したというケースの中には、「切迫流産」や「流産」のような正常な妊娠の後に起きるものもあるが、初めから異常な妊娠だったために起きるものがある。

 異常妊娠の中で比較的多いのは「子宮外妊娠」で、出血があり腹痛を伴うことが多い。症状がひどいと母体の命にかかわることがあるから至急病院に行くこと。子宮外妊娠では妊娠の継続は不可能だ。

 最近、市販の妊娠診断薬がよく使われている。信頼度は高く使用しても構わないが、子宮外妊娠でも陽性反応が出るため、妊娠が正常に経過しているかどうか、早めに医師の診察を受けて確かめてほしい。

 また、極めてまれだが、いずれ胎盤になるべき絨毛(じゅうもう)組織が異常に増殖し「胞状奇胎(ほうじょうきたい)」になることがあり、この場合も出血してくる。絨毛がんに移行する可能性があるので、早く発見し子宮内をきれいに除去するなどの治療が必要。

 妊娠初期の出血で、救急車などで緊急に産婦人科で受診したいのは、ふだんの生理以上の多量の出血のとき、あるいは出血がなくても腹痛がひどいときと覚えておくとよい。

記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの

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