応急手当て
2011年09月02日 16:03 公開

急な腹痛・子供の場合 (応急手当て11)

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様子をよく観察して-「ぐったり、青白く」は危険

 子供が急におなかが痛いと泣きだすと、親はどうしても慌ててしまう。そんな時、子供の様子をよく観察し、医師にありのままを伝えてほしい。

盲腸も油断禁物

 子供が急に腹痛を訴えた時にはどんな病気があるのだろう。一般に、腸重積(イレウス)や腸管軸捻症(ちょうかんじくねんしょう)、ヘルニアかんとん、急性虫垂炎、反復性腹痛、急性胃腸炎などがある。

 「腸重積」は2歳以下の子供に多く、小腸が大腸の中に潜り込んで重なるようになる病気。3分の2はこう門からバリウムを注入し圧力で元に戻すという方法で治るが、残りは手術となる。特に黒っぽく粘り気のある粘血便が出てきた場合には、腸管が壊死(えし)を起こし始めているので緊急手術が必要だ。
 「腸管軸捻症」は腸がねじれてその部分の血行が途絶え、壊死に陥ってしまう病気。緊急手術を必要とし、腸を切除する場合もある。子供ばかりでなくお年寄りにも多い。

 腸などの腹くう内臓器の一部が陰のう内に入り込んだり、足の付け根にはみ出したりする病気を「そけいヘルニア」という。その脱出した腸が元に戻らなくなって血行障害を起こしたものを「ヘルニアかんとん」といい、乳幼児期に多く、緊急に手術をしなければならない。かんとんを予防する意味で、そけいヘルニアの子供には、おむつが取れたら手術することもある。

 「急性虫垂炎」、いわゆる盲腸炎は10歳代、20歳代に多く、吐き気や発熱を伴い、その痛みは上腹部から始まり、次第に強くなって右下腹部に移る。病院へ行くのが遅れると腹膜炎を起こしたりするので注意したい。

誤飲のことも

 腹痛の中で最も多いのは「急性胃腸炎」で腹痛や下痢、吐くなどの症状が急に出てくる。細菌感染や食中毒が原因とみられ、家庭の看護だけでも治る場合もあるが、早めに治療を受けたほうが安全。

 また子供の場合、腹痛などの症状はたばこや防虫剤などの誤飲でも出ることがある。そうした時にはすぐに総合病院に連れて行くこと。

 突然、へその周囲のひどい痛みと吐き気などを訴えるが、緊急を要しないのが「反復性腹痛」(さいせん痛)だ。学童期に多く、検査しても内臓に病気はない。自然に治っては再発を繰り返す。原因は精神的なものとみられている。

 一般に乳幼児はおなかが痛むと激しく泣くが、症状が進むと泣く元気もなくなり静かになってぐったりする。急に飲み食いをしなくなり、吐いたりして顔が青白くなる。

 このような症状は緊急手術を必要とする重い病気のこともあるので、速やかに小児外科のある総合病院へ連れていくこと。また、腹痛と一緒に吐き気、おう吐、発熱、悪寒、下痢など他の症状があるようならば、特に子供の場合はできるだけ早く総合病院に連れて行くこと。
小さい子供だと、腹痛をうまく言葉で表現できない。「ぽんぽんが痛い」と言ってもおなかが痛いとは限らず、体の漠然とした不調のこともある。その辺の判断が難しいが、軽い病気だなどと親が勝手に推測しないほうがよい。手遅れになりかねないからだ。

記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの

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