鳥越俊太郎さんインタビュー(大腸がんとの闘い)(1)

2011年09月12日 10:08 公開

鳥越俊太郎さんインタビュー(大腸がんとの闘い)(1)

第1回:前触れのような50歳代を経て

 「あなたの健康百科 by メディカルトリビューン」インタビュー第1弾にご登場いただいたのは、ジャーナリストの鳥越俊太郎さん(71)。

 "ニュースの職人"として数々の現場取材を続けながら、朝の情報番組の顔としても活躍していた鳥越さんは、2005年に大腸がんが発覚。その後は肺、肝臓への転移も見つかり計4度の手術を経験しながらも、その体験を前向きに捉え、がんとの向き合い方を広く世間に発信し続けています。

 このほど、自らの治療経験を詳細に記録した著書『がん患者』(講談社刊)を出版したばかりの鳥越さんに、がん発覚前の生活から治療中の思い、そして現在について聞きました。

――大腸がん発覚前はどのような生活を?

 当時は都内のマンションに独り住まいをしていたこともあり、生活にはあまり気を遣っていませんでした。朝食は取らず、昼は麺類などを食べ、夜には主食代わりの缶ビール1本と、まぐろの刺身にキュウリ、トマトをかじる程度。これが典型的な食事でした。

 睡眠はそれなりに気を付けていたと思います。早朝のテレビ番組に出演していたので午前3時半に起きる必要がありましたが、夜9時半にベッドに入っても、すぐには眠れないんですよね。そこで睡眠導入剤の力も借りながら、一応は5~6時間の睡眠を取っていたように思います。一方で、全くと言っていいほど運動はしていませんでした。

――当時経験された疾患はありますか。

 尿酸値が一番高いときで血清1デシリットル当たり11ミリグラム(男性の正常値は3.0~7.0ミリグラム)あり、痛風発作を3度経験しました。最初に発作が出たのは1989年ですが、痛みで眠れなかったことを覚えています。以来、尿酸値を下げる薬を飲んでいて、これは今でも続けています。

 そのほかには、尿管結石や左足小指甲の部分の骨折を経験しました。また、2000年にはメニエール病を発症し、耳鳴りや目まい、難聴でつらい思いをしましたが、これは結局完治していません。

 こうして振り返ってみると、大腸がんになる前の50歳代前後、命に別状はないけれども痛みやつらさのある疾患、けがを前触れであるかのように経験しているとも言えますね。そして65歳の夏、大腸がんが見つかったわけです。

――これまで経験されてきた疾患との違いは?

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 血便が出たことがきっかけとなり大腸がんが発覚したので、これまでの痛い、つらいという経験とは違いがあると思います。血便と言っても、最初は水が薄赤く見える程度だったんです。それがあるとき、便器が真っ赤になるぐらいの血便が出て...。一度は痔(じ)なんだろうと都合良く解釈したけれども、どうもこれは違う。「今回はやられた」と思い、人間ドックを受けることにしました。

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