2011年09月12日 13:15 公開

朝かかとの内側が痛む「足底腱膜炎」

足裏伸ばすストレッチが有効

 朝、起きがけにかかとの内側の辺りが痛んで歩きにくいという症状は、足底腱膜(けんまく)炎のことがある。「3週間ほどたっても痛みが引かないような場合は、整形外科で診てもらうように」と、慶応義塾大学医学部(東京都)整形外科の井口傑講師はアドバイスする。

日中は痛まない

 足底腱膜炎は、足の裏のアーチを支えている足底腱膜に炎症が起こる病気。レントゲン写真を撮ると、かかとの骨の前の部分にとげ状の骨が見られることが多いので、踵骨棘(しょうこつきょく)とも呼ばれる。

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 「40~50歳代の男性に多く、5人に1人は一生に1度は経験するといわれます。加齢に伴って足底腱膜の柔軟性が失われ、組織が弱くなるために起こりやすいのです。若い世代では、ジョギングなどによる足の使い過ぎや、外傷によって起こることがあります」と井口講師。

 足底腱膜炎は多くの場合、かかとの骨の内側の前方が痛む。それも朝、起きて歩き始めたときに痛むのが特徴的で、日中はあまり痛みを感じない。「こうした症状を自覚したときは、まず3週間ほど様子を見るとよいでしょう。その後も痛みが続いたり、強くなったりして日常生活に支障を来す場合は、整形外科の受診をお勧めします」(同講師)

湿布が治療の基本

 診断では、痛みの性質と部位、年齢で見当は付くが、念のためレントゲンを撮る。治療は通常、痛みを和らげる湿布が基本。日常の歩行時に痛むようなケースでは、ヒールカップというクッション材を靴のかかとの部分に敷いて、痛みを和らげる。

 「さらに痛みがひどい場合は、局所にステロイド薬と麻酔薬を注射しますが、この注射は数週間置きに数回にとどめます」(井口講師)。こうした治療とともに、日常生活では足底腱膜を伸ばすストレッチを行うと効果的だ。

 「ストレッチは、足指を曲げ、足首を反らして足の裏を5~10秒、十分に伸ばすようにしてください。左右交互に行い、少なくとも1日各30回、できれば100回行うと理想的です」(同講師)。

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 ストレッチをした方が治りが早いという米国での報告もあるので、日常、習慣化するとよい。

2003年2月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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