2011年09月12日 17:36 公開

高齢者に多い目の病気「翼状片」―黒目に白目がかぶさる

手術の時機選択がポイント

 高齢者の増加に伴い、翼状片という目の病気が増えている。黒目に白目がかぶさるものだが、軽いケースを含め高齢者の20%ほどに見られるという。「手術で治りますが、その時機が治療のポイントです」と、日本大学医学部(東京都)眼科の石川弘講師は言う。

初期には異物感や充血

 翼状片は、球結膜(白目)が角膜(黒目)の上に三角状に伸び、かぶさるようになる病気。原因は分かっていないが、加齢とともに増加する傾向があり、高齢者に多い。高地や海辺など、紫外線の強い地域に住む人にもよく見られる。

 「一定以上は全く進行しない停止性のケースもありますが、多くは年単位でゆっくりと進行します。初期はごろごろとした異物感や充血を伴う程度で、少し進行すると角膜がゆがみ、乱視が出てきます。さらにひどくなると視力が衰えてきます」と石川講師。

 進行には個人差があるが、初期には経過を観察するのが原則だ。「治療には手術を行いますが、初期のうちに手術すると極めて再発しやすいのです。再発のたびに手術すると、球結膜が足りなくなって目に障害を起こす場合もあります」(同講師)

外出時はサングラスを

 翼状片は、若い人でも手術後に再発しやすい。逆に、進行して翼状片が角膜の中央にまで伸びて大きくなると、手術しても視力が回復しにくくなる。

 「手術の時機は、翼状片が角膜の4分の1を覆うくらいまで伸びた時が理想的です。中には、美容上の問題などから初期に手術を望む人もいますが、怖い病気ではないので、神経質にならず、眼科医に時々、経過を診てもらうとよいでしょう」(石川講師)

 経過観察中、充血がひどい場合は、一時的にステロイド薬の点眼液で炎症を抑える。日ごろは、外出時にサングラスを利用して紫外線を避けるだけでよい。

 「手術は局所麻酔をし、角膜上に伸びた翼状片とともに異常な球結膜を切除します。その後、正常な球結膜を移動させて切除した部位を覆うのです」(同講師)

 手術時間は15分程度で入院の必要はなく、健康保険が適用される。

2004年3月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)