2011年09月12日 17:36 公開

コンブの大量摂取やめて―甲状腺機能低下招く恐れ

健康食に落とし穴

 健康食として注目されるコンブだが、気を付けたいのがヨウ素(ヨード)の取り過ぎ。だしを取るのに使われるコンブはヨウ素を大量に含んでおり、過剰摂取は甲状腺の機能低下につながる。あまり取り過ぎると思わぬ結果を招きかねない。

便秘を改善するが...

 コンブは便秘の改善やダイエット効果、生活習慣病の予防効果などのある食品。このため健康食品として大量摂取する人がいるが、必要以上に取っていると甲状腺の機能に悪影響するという。

 コンブは他の海藻に比べてヨウ素を10~30倍も多く含んでいる。ヨウ素は新陳代謝を促進する甲状腺ホルモンを作るのに必要不可欠な物質だが、それを取り過ぎてヨウ素の血中濃度がある限界以上に達すると、甲状腺ホルモンの合成などが抑制されるという。

 その結果、甲状腺機能低下症を起こしたり、甲状腺が腫れたりする。甲状腺の働きが低下すると、何となく元気が出ない、体重増加やむくみ、冷え性になる、肌が荒れる、記憶力が落ちる、声がかれるといった症状が出る。

 実際、心臓の肥大のある全身性のひどいむくみから甲状腺機能低下症が発見された男性は、市販されている根コンブの粉を1日3回、スプーン2杯ずつ1カ月以上も取り続けていた。

胎児の発育障害も

 また、肌荒れから甲状腺機能低下症が発見された女性は、便秘を治すために2~3カ月、毎日コンブを大量に食べていた。確かに便秘は改善したものの、それと重なるように肌が荒れ、甲状腺の腫れが目立ってきたという。

 いずれも、コンブの摂取をやめることによって改善しているが、これらは健康な人の例に過ぎない。むしろ影響を受けやすいのは、バセドー病や橋本病などもともと甲状腺の病気があったり、手術で甲状腺が小さくなったりしている人、さらには胎児や新生児だ。母親が健康維持のため根コンブを常用していて、胎児が甲状腺機能低下症のため発育障害を起こしたという報告もある。

 米国では現在、ヨウ素の摂取量は1日0.5~0.8ミリグラムが適正とされている。ところが、日本人は直接コンブを食べなくても1日1.5~3ミリグラム取っている。また、日本人の甲状腺がん発生率は欧米と比べて50~100倍にも達するが、これはヨウ素の取り過ぎに起因しているのではないかとの見方もある。

 最近の健康ブームに乗ってコンブの利点ばかりが強調されているが、少なくとも甲状腺に関しては、取り過ぎない方がよいようだ。

1994年1月取材(記事内容は取材当時のもの)