2011年09月22日 13:27 公開

「がん」と診断されてもまだ喫煙する?

前立腺がん診断時の喫煙で死亡リスク上昇―米研究

 【シカゴ】米ハーバード大学公衆衛生学部のStacey A. Kenfield氏らは「前立腺がん診断時に喫煙していた男性では、すべての原因による死亡(全死亡)、心臓や血管など循環器の病気による死亡(心血管死)、前立腺がんによる死亡、前立腺がん再発のリスクが高い」との研究結果を、米医学誌「JAMA」(2011; 305: 2548-2555)に発表した。

10年間の禁煙で非喫煙者と同等に

 Kenfield氏らは、1986~2006年に前立腺がんと診断された男性5,366人を対象に、紙巻きたばこの喫煙と禁煙の実行、全死亡、心血管死、前立腺がん死、前立腺がん再発との関連を検討する研究を実施した。

 対象者のうち3割に当たる1,630人が死亡し、うち524人(32%)が前立腺がん死、416人(26%)が心血管死、前立腺がん再発は878人(54%)だった。

 解析の結果、前立腺がんと診断されたときに喫煙していた男性では、喫煙歴が全くない男性と比べて全死亡、心血管死、前立腺がん死、前立腺がん再発のリスクがいずれも高かった。喫煙指数(pack-year=1日に何箱のたばこを何年間吸い続けたか)は、全死亡、心血管死、前立腺がん死の増大と関係していたが、前立腺がん再発との関連は認められなかった。一方、10年以上禁煙を続けていた男性の前立腺がん死リスクは、喫煙歴が全くない男性と同等だった。

複数の要因が影響か

 Kenfield氏は「たばこの煙に含まれる発がん物質や、一部の喫煙者に見られる男性ホルモン(テストステロン)の増加など、前立腺がんの進行に対する喫煙の直接的な影響は、生物学的に説明できそうだ」としつつ、その仕組みについては「喫煙数が増えるほどリスクが高まることや、ニコチンによる血管新生、毛細血管増殖、腫瘍の増殖などを指摘している研究もある」と説明。複数の要因が影響していることを指摘した。

 さらに「喫煙が前立腺がん死リスクを高める可能性があるとする研究結果はこれまでも報告されているが、今回はこれらを支持するもの」と結論している。