2011年10月04日 13:03 公開

大人のO脚、運動やストレッチで矯正は不可能

中高齢者は変形性膝関節症に注意

 脚が外側に湾曲したO(オー)脚は、日本人に多く見られる。東京大学医学部附属病院整形外科の中川匠講師は「O脚自体は病気ではないので、基本的に痛みがない限り治療の対象にはなりません」と説明。また、運動やストレッチでは矯正できないと警鐘を鳴らしたほか、中年や高齢者では変形性膝関節症によるO脚の進行に注意するようアドバイスしている。

無理に矯正するものではない

 ちまたにはO脚改善に関する情報があふれているが、「運動やストレッチなどでは、曲がっている骨を真っすぐな状態に矯正することはできません。痛みや歩くのが困難といった症状がなければ、O脚は無理に矯正するものではないというのが、医学界では一般的な意見です」と中川講師は話す。

 とはいえ、ストレッチなどは、張っている筋肉を緩めて関節を動きやすくするといった意味合いでは有効だ。また、O脚の人は膝関節では内側に、足部では外側に体重がかかりやすいため、外側を数ミリ単位で高くする足底板を利用すると、歩きやすさや痛みの軽減に効果があるという。

 O脚の度合いが重度で、痛みがある場合は、骨切り術を行うこともある。この手術により脚が真っすぐになって痛みが取れるが、リハビリに時間が掛かる上に、松葉杖を約3カ月使用するなど筋力も必要なため、体力がある若い人向けだと言える。

変形性膝関節症との関連

 中年や高齢者では、変形性膝関節症が悪化してO脚が進行することが多い。変形性膝関節症は、軟骨がすり減って、痛みや可動域が制限されるといった症状が生じる。ほとんどの場合、内側の軟骨が減るためO脚になりやすい。

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 現在、日本国内における膝関節症の60歳以上の総患者数は、2,530万人に上ると推定されている(ROAD project、東大病院22世紀センター調査)。患者数の多さもあり、遺伝子や環境、地域などの素因は特定されておらず、O脚との因果関係は現在調査中だ。

 変節性膝関節症の患者は、軽症の人が多数を占める。中川講師は「適度な運動が、痛みの軽減に有効であることは証明されています。体重を増やし過ぎないことや、膝周りを温めて動かすことも効果的」とアドバイスする。仰向けに寝て、伸ばした脚を上げ下げする運動は治療の基本になっている。

 変節性膝関節症は、日常生活に支障がない限り手術の必要はない。強い痛みや歩行障害などの症状が生じた場合は、人工膝関節全置換術を行うと痛みが取れて歩きやすくなり、O脚に戻ることもないという。

編集部

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