2011年10月06日 16:03 公開

8割に無痛の血尿、膀胱がんの早期発見を

頻尿や排尿痛の併発は要注意

 膀胱(ぼうこう)がんは、発症の平均年齢が約70歳と高く、男女比では3対1で男性に多い。がん研有明病院(東京都)泌尿器科の福井巌部長は「膀胱がんは、早期に発見できれば短期間の入院で済みます。早期診断が重要です」と話す。

多い乳頭状がん

 膀胱がんでは、約80%の患者に、肉眼で血尿と分かる無症候性血尿が出る。痛くも何ともないが、血尿は出たり、消えたりを繰り返す。このような症状なら、膀胱がんのうちの乳頭状がんが疑われるが、悪性度は低いことが多い。

 ただし、頻尿や排尿痛など膀胱炎のような症状が現れた場合は、多くが悪性度の高い上皮内がんなので注意が必要だ。全体では70~75%が乳頭状がん、5~10%が上皮内がん、20%が進行した浸潤がんだ。

 泌尿器科での検査のうち、膀胱鏡検査は痛みがほとんどなく、アワ粒大の乳頭状がんも発見できる。採取した尿の中に混じっている細胞を検査する尿細胞診では、上皮内がんが発見できる。さらに、尿の流れる腎盂(じんう)や尿管に腫瘍の合併がないか静脈性尿路造影検査で調べる。

再発予防も重要

 治療法は、乳頭状がんでは、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)を行うのが一般的。カメラ用と電気メス用の2本の管がある手術用膀胱鏡を尿道に挿入し、腫瘍を切除する。手術時間は30分から1時間。

 大きいがんや上皮内がん、浸潤がんの疑いが濃ければ、病理検査用の組織切除のために、同様のことを行う。

 膀胱がんは再発しやすいので、再発予防が重要だ。乳頭状がんではTUR-Btの後に、結核予防にも用いられるBCGを膀胱内に注入して再発を抑える。上皮内がんの場合は、TUR-Btでは切除しきれない可能性を考えてBCGで治療する。これで60~70%の患者が治癒する。ただ、BCGは副作用が強いので使えない腫瘍もあり、その場合は抗がん薬を注入する。

 日常生活では、再発と発症予防のことを考えて、禁煙は言うまでもなく、水分を多く取ったり、ブロッコリーやカリフラワーを食べたりするよう勧められている。

 福井部長は「高齢者は、膀胱炎の症状を軽く見てはいけません。思い当たる症状があれば、速やかに泌尿器科で診断してもらってください」と強調している。

2008年9月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

関連トピックス