2011年10月21日 20:00 公開

その"アワビ"は大丈夫? 危険な「ラパス貝」

食後数十分でじんましんや呼吸困難、命を失う可能性も

 近年、高級食材のアワビの代用品として、外国から「ラパス貝」が輸入されている。しかし、短時間で症状が出る即時型アレルギーに用心すべきだ。食べてから数十分で皮膚症状や呼吸困難が起こり、最悪の場合は生命にかかわる。アレルギー体質の人は特に発症しやすいので注意が必要だ。

症状に気付いたら迷わず救急車を

 ラパス貝(学名ダイオウスカシ貝、英名Grand Keyhole Limpet)は、チリやペルーなど南米の太平洋岸に生息している巻き貝の一種。食感や味がアワビやトコブシと似ているため、飲食店などで"アワビ"として提供されることも少なくないようだ。なお、アワビはミミガイ科だがラパス貝はスカシガイ科で、分類学的には全く異なる。

 多摩北部医療センター(東京都)内科の高橋孝部長は、ラパス貝による即時型アレルギーについて「ラパス貝には、免疫反応の実験に使うほど強い作用のあるKLHというタンパク質があり、原因の1つと考えられています。通常は食後30分前後で全身の発赤(ほっせき)、じんましんといった皮膚症状が始まり、呼吸困難やショックを伴い、命にもかかわる事態になることがあります」と話す。

 同部長や他の医療機関の報告でも、即時型アレルギーは、気管支ぜんそくやアトピー性皮膚炎などのある人に集中的に起こっているという。

 「アレルギー疾患の既往歴がある人はもちろん、アレルギー体質の人は、ラパス貝は避けるべきです。そのためには、購入する前に商品の説明書き、産地、成分表示を十分チェックすることが第一です」(同部長)

 もし、ラパス貝を食べた後に皮膚症状に気付いたら、迷わず救急車を呼んで救急外来のある病院に行くように同部長はアドバイスしている。

2008年10月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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