2011年11月05日 15:07 公開

3種類に分かれる脳梗塞 (脳卒中を知る2)

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増えるアテローム血栓性、死亡率の高い心原性脳塞栓症

 脳梗塞では、血管が詰まってその先の脳細胞が死滅してしまうことによって、さまざまな症状が起こる。血管が詰まる場所と詰まる原因によって、「アテローム血栓性脳梗塞」「ラクナ梗塞」「心原性脳塞栓症」の3種類に分けられる。それぞれの特徴と原因などについて、東京都済生会中央病院の高木誠院長(神経内科)に解説してもらった。

糖尿病などが背景

 アテローム血栓性梗塞は、脳の表面の比較的太い血管に起こる。血液中のコレステロールなどが血管の壁の中に入り込んでアテロームという塊を作り、その表面の膜が破れると、血栓(血の塊)ができて血管が詰まる。

 日本では患者が増加傾向にあるが、多くは糖尿病や脂質異常症(高脂血症)が原因とみられる。また、一時的に脳への血流が減って運動麻痺(まひ)や感覚麻痺が起こる「一過性脳虚血発作(TIA)」は、大半がアテローム血栓性梗塞の前兆と考えられている。

高血圧が原因のラクナ梗塞

 脳の深い所にある細い血管に起こるのが、ラクナ梗塞。高血圧の状態が長く続くと、血管が傷んで内腔(くう)が狭まり、詰まって発症する。症状は比較的軽く、コンピューター断層撮影装置(CT)で見ると、小さな梗塞があちこちに確認できる。「ラクナ」とは、ラテン語で「小さな空洞」を意味する。

 心原性塞栓症は、心臓に原因がある脳梗塞だ。心臓の内部にできた大きな血栓が、脳の太い血管へ流れてきて血管を詰まらせる。心房細動などの心臓の病気があると、心臓の内部で血液がよどんで大きな血栓ができやすくなる。梗塞が広範囲に及ぶため、症状は3タイプの中で最も重く、死亡率が最も高い。

 高木院長は「以前は、ラクナ梗塞が脳梗塞のうちの半分を占めていましたが、生活習慣病の増加などで他の2つが増加して3つのタイプの発症率は、ほぼ同じ割合になっています」と話している。

2008年4月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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