2011年11月09日 15:07 公開

体の洗い過ぎに注意、肌が黒くなる「摩擦黒皮症」に

 日本人は風呂好きだが、体の洗い過ぎにはご用心。ナイロン製のあか擦りやスポンジなどでごしごしこすっていると、肌が黒くなる「摩擦黒皮症」を起こすことがある。特に、皮膚の弱い人は要注意だ。摩擦黒皮症の予防法などについて、東邦大学医療センター大橋病院(東京都)皮膚科の向井秀樹教授に聞いた。

肩から背中に多い

 摩擦黒皮症は、慢性的な刺激によって皮膚に褐色や黒褐色の色素が沈着する。向井教授は「日本では1970年代後半に初めて報告されたのですが、患者さんの9割以上が入浴時にナイロンタオルを使っていました。ナイロンタオルは泡立ちがよく耐久性に優れている半面、長期間使用すると細い横糸が切れ、その先端が皮膚に当たって擦り傷ができ、炎症を起こすと考えられます」と話す。

 向井教授は1998年、皮膚疾患で治療を受けた患者251人を調査したところ、4人に1人に摩擦黒皮症が確認された。「皮膚科医が中心になってこの問題を指摘したことから、減少していたのですが、予想以上に多いことが分かりました。タオルをたすき掛けにしてごしごし洗う肩から背中にかけて起こりやすく、色素沈着以外の自覚症状がないので、気付きにくいようです」

軽く洗う程度に

 沈着した色素も最近は色が薄くなっているという。「あか擦りの素材に、いろいろな物が出てきているためではないかと思われます。150種類もの浴用タオルを並べている店もあるほどです。ナイロンタオルに限らず、こすり過ぎると色素沈着を起こす危険性があります」(向井教授)

 色素沈着を汚れと勘違いして、きれいにしようとさらにごしごしこする人もいるが、悪循環に陥るだけだ。「摩擦黒皮症に気付いたときは、タオルを自分の肌に合った物に替え、軽く洗う程度にしてください」と向井教授。また、入浴後に肌が乾燥しているときは、保湿剤を塗ると予防効果がある。

2008年1月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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