2011年11月28日 15:07 公開

坐骨神経痛、薬効なければ神経ブロック療法を

7~8割で症状軽減

 お尻から脚にかけて痛みが走る坐骨(ざこつ)神経痛。薬物療法や理学療法で効果がなければ、麻酔科かペインクリニックを訪ねたい。麻酔で痛みを遮断する神経ブロック療法で、7~8割の患者は症状が軽減するという。東京クリニックの宮崎東洋院長に聞いた。

神経が圧迫され炎症

 坐骨神経とは、腰から脚に向かって伸びる複数の神経の束のこと。「その神経の通り道である尻から太もも、ひざの裏や横、つま先、足の裏側にかけて鋭く痛むのが坐骨神経痛です」と宮崎院長。

 若い人では、椎骨(ついこつ)の間にあってクッションの役割をしている椎間板(ついかんばん)が飛び出し、神経を圧迫する椎間板ヘルニアが原因の場合が多い。高齢者だと、骨自体の変形が直接神経を圧迫する変形性脊椎症や、脊柱管狭窄(きょうさく)症が原因であるケースがほとんど。いずれも神経が圧迫されて炎症が起き、痛みを引き起こす発痛物質がたまって起こる。

 一般的に整形外科では、薬物療法のほか、腰などを引っ張るけん引療法や温熱療法などの理学療法が行われるが、効果が表れない人もおり、手術も検討される。しかし、宮崎院長は「手術を考える前に、ぜひ麻酔科やペインクリニックで神経ブロック療法を受けてみてほしい」と勧める。

麻酔で痛み遮断

 神経ブロック療法では、神経の周囲や根元に麻酔をかけ、痛みを脳に伝わらなくする。麻酔で神経の緊張を取って血流を増やし、炎症の元になる発痛物質を押し流す。繰り返し行うことで、症状の消失につながる。椎間板ヘルニアが原因ならば8割、骨の変形が原因であっても7割近い患者に有効だという。

 通常、脊髄神経の周囲に麻酔薬を注入する硬膜外ブロックを1~2週置きに4~5回行う。効果が認められれば継続し、20回以内に痛みから解放されるケースが多い。これで効果がなければ、月に1~2回程度、神経の根元に直接麻酔を入れる神経根ブロックを行う。いずれも外来で5分以内で行え、2時間ほどで普通の生活に戻れる。

 宮崎院長は「坐骨神経痛に最も頻繁に用いられる硬膜外ブロックは、痛みもほとんどない。症状が和らぎ、QOL(生活の質)が上がる確率は高い」と話す。なお、専門医のいる施設は日本ペインクリニック学会の公式サイトで確認できる。

2008年10月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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