2011年12月12日 08:39 公開

腰痛などに漢方薬を試す―八味地黄丸や牛車腎気丸など

長期でも安心して服用可能

 腰痛や坐骨(ざこつ)神経痛に対して西洋医学で使われる薬は、副作用が出やすく使えない、あるいは使いたくないという人がいる。そんな場合に漢方薬があるが、東京女子医科大学東洋医学研究所クリニックの関直樹氏は「驚くほど効果を発揮することがあります」と言う。

体質など考慮し処方

 腰痛や坐骨神経痛に対する西洋医学の薬としては、痛み止めとして知られる非ステロイド抗消炎薬(NSAID)が中心で、一定の効果が期待できる。しかし、胃が荒れたり、発疹(ほっしん)やむくみが出たりすることが少なくない。特に、他の病気ですでにいろいろな薬を服用していると使いにくい。

 漢方薬は人によっては驚くほど効果があるが、効果が表れるまでに時間が掛かることがある。ただ、比較的安全な薬なので、長期間でも安心して服用し続けることができる。慢性的な腰痛には試みる価値があり、西洋薬と併用してもよい。

 漢方薬は、患者の体質や全身の症状を考慮して処方される。腰痛・坐骨神経痛に処方される漢方薬の一部を紹介する。

 「八味地黄丸(はちみじおうがん)」と「牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)」は、口が渇き、夜間の排尿回数が多く、冷え性で便秘がちだが、胃腸は丈夫な方といった高齢者に最もよく使われている。

重症例には合わない

 「桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)」は体力がなく、胃腸も弱い人によく処方する。「麻杏●(草かんむりに意)甘湯(まきょうよくかんとう)」は、比較的体力のある人に向く。「五積散(ごしゃくさん)」は、上半身が火照り、下半身が冷えるような中年女性によく使われる。「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)」は、手足が冷え、霜焼けができやすい体質の人に処方する。

 関医師は「椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症、脊椎すべり症などで重度なものは手術が必須で、漢方療法の限界を超えます。また、腰痛にはまれに重大な病気が隠れていることがあるので、腰痛のある人は、まず整形外科専門医の診断を受けてから、漢方外来などを受診してください」と助言している。

2009年11月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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