2011年12月15日 08:39 公開

3つ以上当てはまれば受診を、「低血糖症」自己チェック

精神疾患と間違われやすい症状

 糖尿病の治療薬によって起こる低血糖の症状(関連記事へ)とは別に、内因的な原因による「低血糖症」がある。新宿溝口クリニックの溝口徹院長は「低血糖症とは、血糖値が低くなる症状ではなく、本来の安定した血糖の変化をコントロールできない状態をいいます。症状は多様ですが、特に抑うつやパニックの症状が出る場合は精神疾患とみなされやすいのが問題です」と説明する。

(関連:糖尿病の治療薬によって起こる低血糖の症状はこちら)

糖分を取り過ぎている人は要注意

 低血糖症の原因は主に、糖質の過剰摂取、腸管の吸収が早過ぎるといった問題、遺伝的素因などによる。年齢や性別に関係なく起こり得るという。症状について、溝口院長は「うつ病、パニック障害といった精神疾患ととらえられるようなものや、頭や首、お腹、背中などの体の痛みとして出る場合もあります」と説明。症状が多岐にわたるため、ある特定の症状から低血糖症と判断するのは難しいという。

 以下の項目で、3つ以上当てはまるものがあった場合、低血糖症の可能性が高い。

  1. 甘い物、スナック菓子、清涼飲料水をほぼ毎日取る。
  2. 空腹感を感じ、おやつを食べることが多い。
  3. 夜中に目が覚めて、何かを食べることがある。
  4. 夕方に強い眠気を感じたり、集中力が落ちたりする。
  5. 体重の増減が激しい。
  6. 体重が増えてきた、またはやせにくくなった。
  7. イライラや不安感が、甘い物を取ることで良くなったことがある。
  8. 頭痛、動悸(どうき)、しびれなどが甘い物を取ることで良くなったことがある。
  9. 気分安定薬や抗うつ薬を服用しても、明らかな症状の改善がない。
  10. 血縁者に糖尿病の人がいる。

 ※このチェックリストで判断がつかない場合や、これ以外の問題が関係しているケースもあるため、気になる人は専門の医療機関で検査を受けることをお勧めします。
(出典:溝口徹著「脳から「うつ」が消える食事」、青春出版社)

血糖値の変化で3タイプに分類

 同クリニックでは、糖負荷検査によって診断を行っている。ブドウ糖75グラムを含む飲料を空腹時に飲み、その後5時間の経過観察を行う。溝口院長は、血糖値の変化の傾向によって、症状を「反応性低血糖症」「無反応性低血糖症」「乱高下型低血糖症」の3つに分類している。

 「反応性」タイプは、糖分の摂取後、いったん上がった血糖値が急激に下がり、3時間経過後は空腹時よりもさらに低くなる。急激に低下する血糖に対し、体は血糖を上げるコルチゾールやノルアドレナリンといったホルモンを総動員する。これらのホルモンが交感神経を緊張させるため、急にそわそわする、動悸がする、筋肉がこわばるといった症状が出る。

 糖分を取っても血糖が上がらず、ほぼ横ばい状態を示す「無反応性」は、体や頭を動かすエネルギーを作り出せず、いつでも体がだるくて疲労感が強いのが特徴だ。特に10~30歳代前半の若い人に多いという。

 「乱高下型」は、血糖値が大幅に上がったり下がったりを繰り返す。気分の変化が激しく、感情が一定しなくなる。

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食生活で体質を改善

 治療は、血糖値をなるべく上昇させず、変化の波をできるだけ穏やかにすることを目的とする。

 同クリニックでは、食生活で甘い菓子類やパン、米や麺類などの糖質を制限することを指導している。炭水化物を除くのが難しい人は、食事の最後に少量を食べるとよい。さらに、1日3食しっかりタンパク質を取ることが重要だ。食事の仕方を変える、ビタミンやミネラルなどの必要な栄養素を取るなど、体質改善につながることを続けていけば、症状は回復していくという。

(編集部)

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