2012年01月10日 11:36 公開

妊娠中の喫煙で子供の5年後にも悪影響―オランダ研究

 オランダ・ユリウス保健科学プライマリケアセンターのCaroline C. Geerts氏らは、妊娠中の母親の喫煙の有無別に5歳時の頸(けい)動脈の厚さ(内膜中膜複合体厚=IMT)や柔軟性を検討したところ、非喫煙群と比べ、喫煙群のIMTは18.8マイクロメートル厚く、柔軟性は15%低いことが分かったと、昨年12月26日付の米医学誌「Pediatrics」(電子版)。IMTと頸動脈の柔軟性は動脈硬化の目安で、将来的に心筋梗塞などの心血管疾患を発症するリスクにつながる。

両親喫煙では頸動脈の柔軟性低下1.4倍

 Geerts氏らは、大規模研究に登録した出生児259人を対象に、出生後2週および5歳時のIMTや頸動脈の柔軟性を超音波で測定し、在胎中の母親の喫煙などとの関連について検討した。両親については、質問用紙で妊娠中の喫煙状況などのデータを収集。母親は、妊娠中の喫煙ありが15人、なしが244人、出産時の平均年齢は、喫煙群31.3歳、非喫煙群32.1歳だった。

 子供と母親の年齢、母乳育児などで補正して分析したところ、子供の5歳時のIMTは、非喫煙群に比べて喫煙群で18.8マイクロメートル厚く、頸動脈の柔軟性は喫煙群で15%低下していた。

 さらに、在胎中に両親とも喫煙していた場合では、IMTは非喫煙群と比べて27.7マイクロメートル厚く、母親のみが喫煙していた場合よりも約1.5倍厚かった。同様に頸動脈の伸展性は非喫煙群に比べ21%低く、母親のみが喫煙していた場合と比べて1.4倍低下したことが示された。

母親の喫煙本数多いほど悪影響

 妊娠中の母親の喫煙本数別(0本、5本以下、5本超)に検討したところ、IMTは5本超と5本以下の間に差は認められなかったが、頸動脈の柔軟性では5本以下に比べて5本超で統計学的に有意な低下が認められた。

 この結果を受け、Geerts氏らは「妊娠中の母親の喫煙は、出生後5年を経過しても子供の頸動脈の形成や機能に目に見えて悪い影響を及ぼしている。特に、喫煙本数が多いほど頸動脈の柔軟性に悪影響を与えていることが明らかになった」として、子供の心血管疾患対策として、妊娠中の禁煙を指導すべきと訴えた。

(編集部)

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