2012年01月12日 12:00 公開

水以外で薬を飲んだらどうなる?

 水以外の飲み物で薬を飲むなと言われます。 副作用のようなものがあるからでしょうか。

あきひろ(男性 60代)

水以外でお薬を飲むと、悪い影響が出る場合があります。

 お薬はお水かぬるま湯(白湯)で内服するのが原則です。水やぬるま湯の代わりにお茶、ジュース、牛乳、コーヒー、紅茶、ドリンク剤、アルコール飲料などで内服すると、薬によっては薬の吸収が遅くなったり速くなったり、薬の作用が強くなったり弱くなったりするのでやめましょう。

 中でも、アルコールでの内服は絶対になさらないでください。常識的に考えてアルコールで内服することはまずないと思いますが、アルコールは多くの薬に影響を与えます。 睡眠薬や抗うつ薬、抗てんかん薬、かぜ薬、花粉症治療薬などはアルコールにより薬の作用が増強して非常に危険です。

 これは余談になりますが、お薬を飲むような体調不良の時はアルコールを控えることも大切です。ある大臣が風邪薬とアルコールを飲んで酩酊(めいてい)状態となったまま記者会見に臨み、辞任したニュースは記憶に新しいと思います。

 牛乳に含まれているカルシウムが薬の吸収を妨げて、薬が効くまでに時間が掛かることがあります。コーヒーや紅茶にはカフェインが含まれています。市販の風邪薬や解熱鎮痛薬、花粉症治療薬などにも眠気防止のためにカフェインが配合されており、コーヒーや紅茶を一緒に飲むとカフェインを過剰に摂取することになり、頭痛、不眠、震え、動悸(どうき)などを来すことがあります。ドリンク剤にはアルコールとカフェインが含まれていますので、お薬に悪影響を与えます。

 ジュースの原料となる果物や野菜の成分が、薬の効き目を変えてしまうことがあります。注意を要するものとしてグレープフルーツジュースが有名です。グレープフルーツジュースと血圧を下げる薬を一緒に飲むと、血液中の薬の濃度が上昇し、作用が増強されることが知られています。その他にも影響を受ける薬がありますので、お薬を服用中の方は、薬剤師にご相談下さい。

 お茶は大抵の場合、大丈夫です。でも、濃い緑茶と一緒に服用するとお薬の吸収が悪くなり、薬の効き目が弱くなることがあります。

 また、最近は「水なしでも飲める」薬も発売されていますが、基本的にお水や白湯で飲むことをお勧めします。お水なしで服用すると、上手に体に吸収されず、思った効果が現れないばかりでなく、喉や食道につかえて長くとどまり、そこで薬が溶けると食道の粘膜を痛める原因となってしまいます。

 お薬はコップ1杯分のお水かぬるま湯(白湯)でお薬を飲むようにしてくださいね。

中野 里美(なかの さとみ)

1990年、東京女子医科大学卒業後、慶應義塾大学医学部内科学教室に入局。都立広尾病院、国立病院機構栃木病院などを経て、2007年から三菱UFJニコス株式会社診療所勤務。同社において初代統括産業医として、社員の健康管理を行っている。日本内科学会総合内科専門医、日本糖尿病学会専門医、日本医師会認定産業医、労働衛生コンサルタント。

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