2012年01月13日 17:00 公開

親知らずの抜歯手術時間と費用を教えてください。

<専門家へきいてみよう 「質問する」より> 

〔症例〕 20代 男性
〔症状〕 親知らずが生えてきました。頬側に向かって生えてしまい,物をかむときに一緒にかんだり傷を付けてしまいます。抜歯をしようと考えていますが,手術時間と費用を教えてください。

簡単な抜歯は数分、複雑であれば1時間以上かかります。費用は3,600~6,500円程度が目安と考えられます。 

■手術時間

 基本的な抜歯操作は15~30分ですが、消毒や麻酔、さらに止血の確認、余裕を含め約1時間は必要です。なかには数分で抜歯できるものから、1時間以上かかるものもあります。

■費用

 費用については診療施設により差がありますので、基本的な点から説明しましょう。

 多くの大学病院や総合病院では紹介状がなく受診すると、保険外の自費料金が必要になります。この料金は施設により異なりますが、特定機能病院では2,500円~5,000円程度であり、おおむね3,000円程度が目安のようです。これらは、全額自己負担となります。

 さらに地域歯科診療支援病院歯科では、初診料が一般の歯科医院(2,180円)とは異なり少し高くなります(2,700円)。再診料も同様です(それぞれ420円、690円)。

 また、病院ではない一般の歯科医院でも、感染症対策の基準を満たしていれば歯科外来診療環境体制加算が加算されます(初診時300円)。

 抜歯時のX線写真撮影には歯の部分のみのもの、顎全体のもの(パノラマX線写真)およびCTスキャンと種類があります。その際、撮影した画像を電子化して管理および保存している場合は電子画像処理加算が算定されます。この加算は撮影方法によって異なりますが、フィルム料は必要ありません。

 病院で画像診断に専任の歯科医師が勤務する場合には、画像診断管理加算が算定されます(月1回700円)。

 深く埋まり(下歯槽)、神経や上顎洞に近い親知らずではCTスキャンの撮影が必要となります。

 親知らずの抜歯自体の料金は、簡単なもので2,600円、少し難しく切開は必要だが大きく骨は削らないもので4,700円、上顎で大きく骨を削るもの10,500円、下顎で大きく骨を削るもの11,500円に分けられます。

 麻酔は歯の周囲のみの局所麻酔と、下顎と舌の半分を麻酔する場合が大多数を占めますが、大きく骨を削る手術では気分をリラックスさせる鎮静法を併用することがあります。これには笑気吸入鎮静法と静脈鎮静法があます。大まかには、笑気吸入鎮静法(痛みと恐怖心を和らげるために酸素と笑気を鼻から吸入する)を60分行うと1,300円程度が、静脈鎮静法(向精神薬と鎮痛薬を組み合わせて静脈内投与する)では5,000円程度の費用が必要です。

 投薬は薬剤の種類によって異なりますが、化膿止め(抗菌薬)4日分、痛み止め(鎮痛薬)5回分とうがい薬1本で約1,800円です。

 ここでは、3割の自己負担でパノラマX線撮影をしたと仮定し、これらを組み合わせて考えましょう。そうすると、簡単なものや大きく骨は削らないものでは3,600~4,200円程度、大きく骨を削るものは6,000~6,500円程度が目安と考えられます。

 しかし、下顎で深く埋まり神経に近く、CTスキャンを撮り、大きく骨を削るため静脈鎮静法を併用するような場合では、治療費は13,000円程度となります。

 さまざまの施設基準により加算などに差があります。知りたいことや不明確な点は主治医、受付や医事課にあらかじめ問い合わせることが重要です。

指導・監修

坂下 英明(さかした ひであき)

坂下 英明(さかした ひであき)
明海大学 歯学部歯学科病態診断治療学講座口腔顎顔面外科学教授

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