2012年01月24日 16:07 公開

乱視と間違えないで! ダブって見える「複視」に注意

隠れた病気の危険信号

 物がダブって見える複視が増えている。高齢化の進展や生活習慣病の増加などが背景にある。乱視と間違えやすいが、複視には原因となる何らかの病気がある。中には脳動脈瘤(りゅう)など重い病気のケースもある。素人判断は禁物だ。日本大学医学部(東京都)眼科の石川弘講師に聞いた。

片方の目では正常

 複視は、両目で見たときに同じ物が2つ見える目の異常。乱視との違いについて、石川講師は、次のように説明する。「複視は片方の目で見ると1つに見えますが、乱視は片方の目でも何重にも見えます。片方の目で見るとその違いが分かります」

 ところが、物がダブって見えると、つい乱視だろうと思って眼鏡に頼る人が少なくない。

 「乱視は眼球の前面を覆う角膜の丸みが一定でないために起こる屈折異常なので、眼鏡で矯正できます。しかし、複視は眼筋や神経の麻痺(まひ)による眼球の異常で、糖尿病や高血圧などの生活習慣病が原因になりやすいのです。原因が脳動脈瘤のときもあり、見逃していると生命にかかわりかねません」(同講師)

 また、朝起きたときに突然、物が二重に見えるというケースが多いが、これは脳梗塞など脳血管障害の危険信号だという。

原因疾患の治療を

 このように、複視は単なる目の病気ではなく、何らかの原因疾患が隠れている。「両目で見るとダブって見え、片方の目だと1つに見える場合は、この病気を疑って最寄りの眼科で診てもらってください。その際、複視が起こったときの状況を的確に医師に説明すると診断に役立ちます」(石川講師)

 目の位置と動きでほぼ診断が付く。肉眼で分からないときには赤ガラス試験といって、片方の目の前に赤いガラスを置いてペンライトで光を両方の目に当てる検査で判断できる。

 「複視と分かれば、原因疾患の究明が必要です。眼科で原因疾患の専門医を紹介してもらうとよいでしょう。原因疾患を治すことが、基本的に複視の治療になります」(同講師)

 複視についてはあまり知られていないが、「全身疾患の危険信号ととらえるように」と同講師は注意を促している。

2009年2月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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