2012年01月24日 12:00 公開

生理はうつる?

 生理がうつると聞いたことがあります。 科学的な根拠を知りたいです。

misato(女性 20代)

まずは、月経周期についてお話しましょう。

 月経周期は約21~40日と幅があり、月経開始日から排卵までの卵胞期と、排卵期、排卵後から次の月経開始日までの黄体期に分かれます。この黄体期は月経周期にかかわらず一定で約2週間です。

 月経周期は、種々のホルモンの複雑な相互作用によって調節されています。脳にある下垂体でつくられる黄体形成ホルモンと卵胞刺激ホルモン、卵巣でつくられるエストロゲンとプロゲステロンが関与しています。

 ご質問に戻りますが、同じ時期に生理になるのには、人間のフェロモンが関係していると考えられています。

 1971年に寮生活している女子学生のアンケート結果から、共同生活が始まると月経周期が同調することが明らかになりました。これは「寄宿舎(ドミトリー)効果」と呼ばれています。

 1998年には、女性の脇からの分泌物を別の女性にかがせると、月経周期に影響を及ぼすことが明らかになりました。卵胞期の分泌物は女性の排卵を促進して月経周期の短縮を誘導し、排卵期の分泌物は排卵の遅延を起こし、月経周期の延長をもたらします。月経周期にかかわらず、期間が一定の黄体期には影響を与えません。

 脇のアポクリン腺から分泌される物質にフェロモンが含まれており、そのフェロモンの作用によって月経周期が同調すると考えられていますが、詳しいことはまだ解明されていません。

中野 里美(なかの さとみ)

1990年、東京女子医科大学卒業後、慶應義塾大学医学部内科学教室に入局。都立広尾病院、国立病院機構栃木病院などを経て、2007年から三菱UFJニコス株式会社診療所勤務。同社において初代統括産業医として、社員の健康管理を行っている。日本内科学会総合内科専門医、日本糖尿病学会専門医、日本医師会認定産業医、労働衛生コンサルタント。

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