2012年01月30日 11:31 公開

「揚げ物は体に悪い」覆す結果? ただし地域限定

欧州研究

 食べ物を油で揚げる調理法は、たとえ食材が体に良いとされる物質を豊富に含む魚などであっても、他の調理法に比べ心臓病などを増加させる可能性が指摘されている。しかし、そんな知見を覆すような論文が、1月24日付の英医学誌「BMJ」(電子版)に報告された。欧州の大規模研究に参加した29~69歳のスペイン人を対象とした分析で、揚げ魚やフライドポテトの摂取量と11年間の心血管疾患(心臓や血管など循環器の病気)および全死亡(すべての理由による死亡)のリスクに、統計学的に有意な関連が認められなかったという。研究グループは、地中海式の食事を摂取するスペインならではの結果だと結論付けている。

過去の報告で肥満や高血圧との関連は指摘

 揚げ物が腹部肥満や高血圧といったさまざまな心血管疾患危険因子に関連することは、欧州で行われた複数の疫学研究により報告されているという。2007年に今回と同様、スペイン人を対象とした研究では揚げ物の摂取量と肥満が比例していることが報告されていた。また、同様の結果を示す報告は他にもあるようだ。

 しかし、揚げ物が実際に心血管疾患発症リスクを増加させるかについては、検討が行われていなかったと。研究グループは今回、新たに検討を行った。

 対象は試験開始時に心筋梗塞など冠動脈疾患の既往がなかった29~69歳のスペイン人4万757人。1992~96年に登録、2004年まで追跡が行われた。

鍵はオリーブ油とヒマワリ油、「他の油脂は有害」

 11年(中央値)の追跡期間において606件の冠動脈疾患イベント、1,135件の全死亡が発生していた。

 揚げ物(油で揚げた魚、肉、ジャガイモ、卵)の1日当たりの摂取量別に4つに分けたところ、摂取量が最も少ない群に比べ、残り3つの群でも冠動脈疾患イベントの著明な増加は見られなかった。これは、全死亡についても同様の結果だった。

 研究グループは今回、揚げ物の摂取量と冠動脈疾患や全死亡のリスクに関係性が認められなかった要因の1つに、スペイン国内では食用油としてオリーブ油やヒマワリ油が多く用いられていることを挙げており、「その他の油脂による揚げ物はやはり有害だろう」との見解を示した。その上で、今回の研究について「地中海式の食事を摂取する国でのみ当てはめることのできる結果だ」と述べている。

(編集部)

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