2012年02月07日 09:59 公開

耳鳴りがあったら...原因疾患の有無確認を

神経質にならず、ストレス解消

 慢性的な耳鳴りに悩む人は多い。加齢とともに増え、60歳以降では10人に3人ほどの割合で見られるという。東京電力病院(東京都)耳鼻咽喉科の佐藤美奈子科長は「原因となる疾患がなければ神経質にならないことです」と言う。

脳が過敏に

 耳鳴りは、本来はない音が聞こえ、耳や頭で音が鳴っていたり、耳の中で音がこもったりする症状。突然聞こえづらくなる突発性難聴や聴神経腫瘍(しゅよう)など耳や脳のいろいろな病気が原因となって表れるが、これといった原因疾患がなくても起こる。

 「内耳の蝸牛(かぎゅう)というところにある有毛細胞は、音を電気信号に変えて聴神経に伝える働きをしているのです。ところが、何らかの原因でその働きが低下すると、間違った電気信号を送ってしまうために耳鳴りが起こると考えられています」(佐藤科長)

 その一因となるのがストレスだ。

 「ストレスがあると脳は過敏になり、それまで気にならなかった音まで気になります。それがまたストレスになって耳鳴りや耳閉感、あるいは音が響き過ぎる聴覚過敏がひどくなるといった悪循環に陥って慢性化しやすいのです」(同科長)

ラジオ・テレビも有効

 急に耳鳴りがし、それが続く場合は、病気が原因のケースが多い。このときは、迷わず耳鼻咽喉科を受診すべきだが、症状が軽くても慢性的になっている場合は念のため原因疾患の有無を調べてもらった方がよい。

 「うつ病の人の30%近くが耳鳴りを訴えています。逆に耳鳴りからうつ状態になる人もいます。原因疾患がないと診断されたら、神経質にならないことが大切です」(佐藤科長)

 治療では、

  • 内耳循環改善薬や抗不安薬などによる薬物療法
  • 心理療法
  • 補聴器型のサウンドジェネレーターを用いた音響療法

―などが行われる。サウンドジェネレーターは不快と感じない適度の音を出す機械で、その音を聞くことによるマスキング効果で耳鳴りを隠す。

 日常生活ではラジオやテレビも音響療法として利用できる。さらに趣味などで気分転換すると、ストレス解消につながる。

 佐藤科長は「耳鳴りが消えるわけではありませんが、こうした治療を用いて耳鳴りとうまく付き合うことが大切です」とアドバイスする。

2009年2月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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