2012年02月10日 10:08 公開

緑茶をたくさん飲むほど高齢者の要介護リスクが低下

 高齢者において、緑茶を飲む頻度が高いほど要介護の発生リスクが低減するという大崎コホート2006研究の結果を、東北大学大学院公衆衛生学教授の辻一郎氏、同大学院の遠又靖丈氏らのグループが、1月25日付の米医学誌「American Journal of Clinical Nutrition」(電子版)に発表した。ウーロン茶、紅茶、コーヒーでは統計学的に有意な関連は認められなかったという。要介護者が増加の一途をたどる中、簡単に実施できる予防法として注目される。

1日5杯以上で33%減

 辻氏らは2006年、宮城県大崎市在住の65歳以上の調査に同意し、機能障害のない1万3,988人を3年間追跡し、緑茶を飲む頻度と機能障害の関連について解析した。緑茶を飲む頻度は健康に対する意識や社会的な要因と関連していることから、解析の際に年齢、性、脳卒中、心筋梗塞、高血圧、骨折の既往、教育レベル、喫煙、飲酒、BMI(肥満指数)、精神的苦痛、食事の種類などの要素で調整している。

 緑茶の摂取頻度が高いグループは、男性、精神的苦痛、最終学歴が中学校卒業、過去1年間に2キロ以上の体重減少、現在の喫煙、現在の飲酒、脳卒中、心筋梗塞、肝臓病の既往が少なかった。緑茶の消費頻度が高いグループは、肉、魚、緑黄色野菜、大豆製品、果物、菓子類の消費量が多く、エネルギーとタンパク質の摂取が多く、認知活動が良好だったが、関節炎が多く、1日1時間以上歩行する割合は少なかった。

 要介護度が「要支援1」以上の機能障害は、3年間で1,316人(9.4%)発生した。

 1日の緑茶の摂取頻度別に、要支援1以上の要介護発生リスクは、1~2杯で10%減、3~4杯で25%減、5杯以上で33%減だった。大崎市では、1杯約100ミリリットルが標準的と考えられているという。この予防的な関連は、男女ともに認められた。

メカニズム解明は今後の検討課題

 辻氏らは、緑茶の脳卒中や認知障害、骨粗しょう症への予防効果が機能障害のリスク低減に関与しているのではないかと考察している。また、ウーロン茶、紅茶、コーヒーでは有意な関連はなかったことから、水分摂取のみの効果ではないことも指摘した。ただし、メカニズムについては今回の研究で結論を出すことはできず、今後の検討課題としている。

 なお、抗酸化作用による疾病予防効果が期待される緑茶だが、最近では、緑茶のポリフェノールが脚力を改善させることも報告されているという。

(編集部)

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