2012年02月10日 17:00 公開

「お口が乾く」「舌が痛い」のは何が原因ですか?

<専門家へきいてみよう 「質問する」より> 

〔症例〕 40代 男性
〔症状〕 最近,お口が乾きやすく,舌にピリピリとした痛みが出てきました。なるべく飲み物を飲むようにしていますが,何が原因なのでしょうか?

「唾液分泌量の低下」「自律神経からの影響」「薬剤服用」などの原因が考えられます。 

 自覚症状に口腔乾燥を訴えるすべての状態を「ドライマウス」とすると、さまざまな原因が挙げられ、次のように分類しています。

(1)唾液の分泌量が低下(唾液分泌量低下)
(2)唾液腺の破壊または萎縮(いしゅく)
   ・シェーグレン症候群 ・放射線治療の後遺障害 ・唾液腺部の手術や外傷
   ・糖尿病 ・加齢
(3)自律神経への影響
   ・抑うつ ・ストレスや心身症 ・脳血管障害および脳血管の手術や外傷
(4)自律神経による唾液腺の情報伝達障害
   ・薬物の副作用 ・抑うつ ・ストレス ・糖尿病 ・筋力の低下
   (特に、唾液分泌量を減少させる薬物には、抗うつ薬、抗ヒスタミン薬、抗精神病薬、鎮静薬、メチルドパ、利尿薬などが挙げられます。)
(5)唾液分泌は正常ではあるが、口の乾きが生じる場合
(6)脱 水
(7)糖尿病、腎疾患、尿崩症などの疾患
(8)唾液分泌は正常であるが、蒸発が多いとき(唾液の過蒸発)
(9)口呼吸
(10)夜間口腔乾燥
(11)脳血管障害
(12)その他

 食生活による影響、室内の乾燥状態、口腔内が不潔な場合には、エイズやパーキンソン病なども原因として挙げられます。さらに、口腔乾燥状態が認められないのに症状を訴えるときには精神科的疾患や一部の口腔疾患が考えられます。

 また、化学療法によるがん治療や、頭頸部(とうけいぶ)への放射線治療後にも、唾液腺の機能異常がよく起こります。放射線照射による口腔乾燥の症状は、照射量が大量の場合には一生続きますが、化学療法によって起こる症状は一時的な場合が多いです。

 高齢者や薬剤服用をしている患者さんでは、薬剤の副作用が重要となります。ぜひ、主治医や薬局で薬剤師に確認をして、必要なら薬剤を変更する場合もあります。