2012年02月24日 09:59 公開

落ち込む月経前不快気分障害、イライラや泣きだすなども

うつ病の一種、治療を

 気分が著しく落ち込む、イライラが強くなる、突然に泣きだすなどの情緒不安に襲われ、日常生活や仕事に支障を来す月経前不快気分障害(PMDD)。「一人で悩まずに専門医に相談を」と、三重大学保健管理センターの岡野禎治教授は早期の受診を促している。

20歳代後半~30歳代半ばで好発

 PMDDの症状は月経が始まる1週間ほど前に表れ、月経の次の週には消失するパターンを繰り返す。著しいうつ気分や絶望感、強い不安や緊張、突然の悲しみ、泣きだすなどの情緒不安、持続する怒りや焦りなどの症状が強く表れる。

 「物事に集中することが難しくなり、疲労感が強くなることもあります。職場、学校など社会的な場で人間関係が損なわれるほど症状は深刻です」と岡野教授は説明する。

 PMDDの発症時期は20歳代後半から30歳代半ばに多い。この年齢の女性は結婚や出産、子育て、家庭と仕事の両立など生活の急激な変化や、それに伴うストレスが多く、それが引き金になって発症するのではないかと考えられている。

治療は薬と運動、食生活の改善

 治療は、うつ気分、不安、怒り、焦燥感の4つの症状が認められたら抗うつ薬を服用する。軽症例の場合には、最近では、毎日1回飲む持続的投与よりも排卵日から月経までの2週間だけ飲む間欠投与が中心。利点は

  1. 月経前に規則的に服用することで症状を予防するという自覚が生まれ、積極的な姿勢で治療に臨むようになる
  2. 副作用のリスクや治療費が軽減される
  3. 持続投与に比べ薬の効果が薄れる薬の耐性の防止になる

―などだ。

 日常生活では休養を取り、運動やリラクセーションなどでストレスを軽減する。ビタミンB6、B12、マグネシウム、カルシウムなどを多く含む食品を取り、塩分、糖分、カフェイン、アルコールは控えるなど食生活の改善が挙げられる。

 「PMDDは一過性の軽い精神症状と思われがちですが、月経は一生の間に平均400回訪れます。繰り返す間に深刻な事態を迎えることも考えられます。うつ病の一種とも分類されているので、我慢せずに治療を受けてほしい」と岡野教授は話している。

2011年1月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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