2012年02月27日 09:59 公開

昼間、強い眠気に襲われる―中学生に多いナルコレプシー

体の力が抜ける発作も

 昼間、強烈に眠くなり、授業や試験中でも居眠りしてしまう―。こんな中学生が少なくないという。夜更かしするからとか、怠け癖だと叱る先生や親もいる。しかし、日本大学医学部(東京都)の内山真教授(精神医学)は「ナルコレプシーという病気のことがある。周囲の大人が早く異変に気付き、専門医の診察を受けさせることが大切です」と指摘する。

夜は十分眠れるのに

 子供が昼間眠くなる原因のうち、睡眠量の不足による場合は、少なくとも1日7時間ほど眠るよう指導し、体内時計リズムのずれによるものなら朝起きて朝日を浴びるといった規則正しい生活習慣に改めれば解消できる。また、扁桃(へんとう)肥大などで睡眠中に呼吸が複数回止まる睡眠時無呼吸症候群によるものなら、治療によって日中の眠気から解放される。

 ナルコレプシーは「夜は十分眠れ、朝もきちんと起きているのに、昼間に繰り返し強い眠気に襲われる」のだ。過眠症とも言われ、特異な症状から奇病と思われがちだが、有病率は世界的に一般人口の1,000~1,500人に1人と決して珍しくない。「しかも、中学生で発症するケースがほとんど。小学生では多動や落ち着きのなさになって表れることもあり、特に学校の先生には知ってほしい病気です」と内山教授。

薬で症状は治まる

 症状は典型的な睡眠発作のほか、強い感情が起こったときに体の力が急激に抜ける情動脱力発作、寝付き際に金縛りが起こる睡眠麻痺(まひ)などを認める。診断は、特徴的な症状の有無と昼間の眠気を評価する反復睡眠潜時検査によって行われる。いずれの症状も、副作用の少ない精神刺激薬や抗うつ薬の適切な服用で治まる。

 内山教授は「ナルコレプシーの子は怠け者とかやる気がないとか誤解されがちで、早期に対応しないといじめられることもある。発症年齢が思春期の難しい時期でもあり、親や教師が異変に気付き、治療のルートに乗せてあげてほしい」と話している。

 受診するなら、日本睡眠学会の公式サイトにある認定医がいる医療機関を訪ねるとよい。

2011年1月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)