2012年03月01日 10:08 公開

燃え尽き症候群でうつ病リスク上昇、運動で改善を

イスラエル研究

 イスラエル・テルアビブ大学のSharon Toker氏らは、仕事による燃え尽き症候群(バーンアウト)でうつ病リスクが上昇するものの、身体活動(運動)が増加するに従って改善することが分かったと、1月9日付の米医学誌「Journal of Applied Psychology」(電子版)に発表した。同氏らは、職場でのメンタルヘルス対策が不十分な場合、就労者は自らのストレス管理のために積極的に運動を行うべきと主張している。

民間・公共の就労者1,600人を検討

 日本では受験生やスポーツ選手などがある一定の目標を達成した後、打ち込むものがなくなった状態も「燃え尽き症候群」とするが、一般には努力に対して期待した報酬が得られなかったことから来る徒労感などを指す。社会的な問題となっており、特に、社会貢献を要求されているにもかかわらず給与の水準が低い職業に就く人が高リスクとされている。

 Toker氏らは、2003~09年に3回にわたる定期健康診断を受けた民間企業および公共機関に就労する2,214人から、就業時間が週20時間以下やデータが不十分な人などを除く1,632人(男性70%、初回検診時の平均年齢46.6歳)を対象に解析を行った。

 (1)健診1~2回目の燃え尽き症候群の増加が健診2~3回目のうつ病の増加に与える影響、(2)健診1~2回目のうつ病の増加が健診2~3回目の燃え尽き症候群の増加に与える影響―を検討。さらに、それぞれに対する運動の影響についても分析した。

運動がストレスの耐久・回復力に影響か

 その結果、健診1~2回目の燃え尽き症候群の増加は健診2~3回目のうつ病の増加と関連し、この関係は運動強度が増えるに従って減少した。一方、健診1~2回目のうつ病の増加は健診2~3回目の燃え尽き症候群の増加と関連し、この関係も運動強度が増えると減少した。

 燃え尽き症候群とうつ病の関連は、運動を全く行わない人で最も顕著で、1週間当たりの運動時間が多くなるにつれて弱まり、運動時間が最も多かった人(240分)では、2つの病気の関連が認められなくなった。

 今回の結果から、Toker氏らは「健診1~2回目で燃え尽き症候群が増加すると健診2~3回目でうつ病が増加し、同様に、健診1~2回目でうつ病が増えると健診2~3回目で燃え尽き症候群が増えることが明らかになった。この関連は、運動を全く行わない人で最も強く、運動強度が上昇するに伴い関連が弱くなることが分かった」と結論。集中的な運動による心理的ストレスへの耐久力や回復力を示す研究報告を例に挙げ、特にメンタルヘルス対策が不十分な職場では、就労者自身が運動によりストレス管理を積極的に行うべきと提言している。

(編集部)

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