2012年03月06日 09:49 公開

誤嚥予防に「健口体操」、筋力アップと唾液腺刺激

頬を膨らませたり緩めたり

 お年寄りの死因の1位を占めるのが肺炎だが、その大きな原因の一つが食べ物などを気管にのみ込む誤嚥(ごえん)。「食事のときにむせやすいと感じる人は、『健口体操』で口周辺の筋力低下を防いで」と、鶴見大学歯学部(神奈川県)の阿部實准教授(歯科補綴=ほてつ=学)は勧める。

舌の出し入れも

 誤嚥は、物をのみ込む際に関係する首や口周辺の筋力の低下、唾液(だえき)分泌量の減少によって起こる。これらの低下を防ぐのが「健口体操」。阿部准教授が勧める口の運動は、次のようなものだ。

  1. 口を閉じたまま頬を膨らませたり緩めたりする
  2. 口を大きく開けて舌を出したり引っ込めたりする
  3. 舌を思い切り出して左右の口角(口の端)と上下の口の周りに触れる
  4. 舌の運動を、口を閉じたまま行う
  5. 絡んだたんを吐き出すときのように音を発して強く息を吐き出す
  6. パパパ、タタタ、カカカ、ラララと発音する

 「パ・タ・カ・ラを発音することで、のみ込みに必要な唇や舌の動作の練習になります」(阿部准教授)

マッサージで唾液分泌

 一方、唾液の分泌を良くするには、耳下腺、顎(がく)下腺、舌下腺という3つの唾液腺のマッサージが効果的だ。

 マッサージをするときは、耳下腺では耳の前方に沿った頬骨の下を親指の付け根でゆっくりと強く押す。顎下腺は、下顎の両側を指でゆっくりと強く押す。舌下腺は、下顎の中央を指でゆっくりと強く押すといった具合だ。

 「いずれも少し痛みを感じる程度に、5秒間ぐらい押すと効果的です。分泌した唾液は、意識してごくんとのみ込んでください」と阿部准教授。唾液は、30秒間に2回以上のみ込める量があるのが適正という。

(編集部)

2009年3月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)