2012年03月14日 10:08 公開

出生月でADHD診断率に差、年度末生まれは1.3~1.7倍

カナダ研究

 同学年でも出生月によっては1歳近い年齢差が生じるが、これによる発達の違いが注意欠陥・多動性障害(ADHD)の診断率に影響する―。そんな研究結果を、カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のRicahrd L. Morrow氏らが、3月5日付のカナダ医学誌「CMAJ」(電子版)に発表した。それによると、同国の年度末に当たる12月生まれのADHD診断率は、1月生まれと比べ男児で約1.3倍、女児では約1.7倍高いことなどが分かったという。同氏らは、出生月による発達の違いがADHDの過剰診断を招いている可能性を指摘している。

薬物治療率も同様の差

 就学に適するとされる学齢は、わが国では満6歳の誕生日以降の最初の4月1日とされているが、カナダでは一般に12月31日時点で満5歳に達している子供が翌年9月の就学対象になるという。いずれの国でも、出生月によって就学時に最大で1歳の年齢差が生じる場合がある。

 Morrow氏らは、1997年12月1日~2008年11月30日に同国ブリティッシュコロンビア州の6~12歳の児童93万7,943人(男児48万1,241人、女児45万6,702人)を対象に研究を行った。

 対象者を男女別で出生月別に振り分け、ADHD診断およびADHDの薬物治療の割合を検討した。その結果、ADHDの診断を受けた子供の割合は、男児では1月生まれ5.7%、12月生まれ7.4%、女児ではそれぞれ1.6%、2.7%で、1月生まれに比べ12月生まれで1.3~1.7倍のリスク上昇が見られた。また、いずれも出生月が1~9月までは増加傾向を示し、10~12月では横ばいの傾向にあったという。

 一方、ADHDの薬物治療を受けている子供の割合は、男児が1月生まれ4.4%、12月生まれ6.2%、女児がそれぞれ1.1%、1.9%と、1.4~1.7倍のリスク上昇が認められた()。

出生月を考慮したADHD研究を

 今回の結果を受けて、Morrow氏らは「6~12歳の児童を対象とした、ADHDと診断されたり薬物治療を受けたりする子供の割合は、男女ともに1月生まれに比べて12月生まれで高率になることが示された」と結論。学齢の基準日と重なることから、同学年でも出生月による発達の違いがADHDの過剰診断や薬物の過剰投与を招いている危険性を指摘し、今後の研究では対象者の出生月を考慮すべきと結んだ。

 わが国でそのまま当てはまるのか、それともこの差が3月生まれと前年4月生まれに当てはまるのか、興味深いところだ。

(編集部)

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