2012年03月19日 10:08 公開

"喫煙経験者からのメッセージ"で有害性訴える―米国

禁煙キャンペーン開始

禁煙キャンペーンに<br>
出演するBrandonさん<br>
(CDC公式サイトより)
禁煙キャンペーンに
出演するBrandonさん
(CDC公式サイトより)

 米疾病対策センター(CDC)は3月12日から、喫煙の有害性を訴え、禁煙を奨励する広告キャンペーンを全米で開始すると発表した。同キャンペーンは「Tips From Former Smokers」(喫煙経験者からのメッセージ)と題され、さまざまな病気を抱えるに至った喫煙経験者らを起用、ビデオ出演などを通して喫煙の恐ろしさと禁煙の重要性を伝えるという。

「次の1本が引き起こす結末は誰にも分からない」

 CDCによる今回の禁煙キャンペーンでは、禁煙に成功して健康的な生活を送る著名人を起用するような安易な方法は取っていない。むしろ、出演者は一般人で、喫煙によって重い病気と共存せざるを得なくなった喫煙経験者や、副流煙による被害を受けた非喫煙者が、それぞれの体験談を赤裸々に告白し、"同じ体験をしないように"との思いを込めた禁煙奨励メッセージを送っているのが特徴。

 出演者のメッセージを2例ほど紹介する。なお、詳細はCDC公式サイトからビデオ視聴できる。

Brandonさん(31歳、ノースダコタ州在住)

 10歳代半ば頃から喫煙を始めたBrandonさんは、18歳でバージャー病(ビュルガー病)とも呼ばれる閉塞性血栓性血管炎と診断される。喫煙により両手足の末梢動脈に閉塞性の内膜炎が引き起こされ、9年後には両脚の膝下を切断、義足生活を送るようになった。その後、指の先端部も数カ所失い、ようやく禁煙に踏み切り、現在で4年になる。「僕はたばこを吸い過ぎた。あなたも"今日"こそ禁煙してほしい。"明日"ではなくて。次の1本が引き起こす結末なんて、誰にも分からないのだから」と語る。

Jessicaさん(28歳、ニューヨーク州在住)

 学生、銀行員、ハンドボール選手と3つの顔を持つJessicaさんは、7歳の息子Aden君を育てるシングルマザーでもある。Aden君は3歳のときに重度のぜんそくと診断された。Jessicaさん自身は非喫煙者だが、彼女の仕事中にAden君の面倒をみていた彼女の母親は喫煙者だった。Aden君の発作は副流煙によるものが大半だったが、当時のJessicaさんは副流煙とぜんそく発作の関連は認識していなかった。今ではJessiaさんの母親もAiden君の前では吸わなくなったものの、Aiden君自身は日常的に服薬し、ぜんそく症状が出たときには吸入器を24~48時間使用する。Jessicaさんは、喫煙者が周囲の人、特に子供への悪影響を理解してほしいと訴える。

 同キャンペーンでは、喫煙の有害性にとどまらず、経験豊かなカウンセラーによる無料電話相談なども行い、禁煙を支援する情報提供も実施する。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、映画館、看板広告のほか、特に若年世代をターゲットに「Facebook」や「Twitter」などのソーシャルメディアも活用し、12週にわたり全米で展開する。

(編集部)

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