2012年03月30日 16:18 公開

中高生に多いスポーツ貧血、長距離走やバスケで目立つ

進行すると動悸や息切れも

 気候が和らぎ、外で体を動かしたくなる季節になったが、スポーツ貧血には注意したい。中学、高校のスポーツ部員などに起こりやすく、特に長距離走やバスケットボールなど足底に衝撃を受けやすい競技でよく見られる。あいあいキッズクリニック(東京都)の北島晴夫院長に聞いた。

初期には「氷食症」

 スポーツ貧血の根本には鉄欠乏性貧血があるが、北島院長は「原因はいろいろ指摘されていますが、最も有力視されているのが血管内溶血です。運動によって体の奥の深部体温が上昇すると、赤血球の膜は壊れやすくなります。そこに足底の血管への衝撃が加わると、赤血球が破壊され、血色素が鉄分として尿中から漏れ出るという説です」と説明する。

 実際、足底に衝撃が加わるスポーツに多く見られ、高温多湿の状況で起こりやすい。そのため、指導者には特別の配慮が求められるが、問題なのは、貧血に気付きにくい点だ。

 「初期には、持久力の低下や氷が欲しくなる『氷食症』といった症状が出てきます。これらは、血色素値の明らかな低下がない前の段階から表れるので、貧血のない鉄欠乏症といいます」(北島院長)

クッション入りの靴を

 北島院長が過労など体調不良を訴えた外来患者547人を調べたところ、鉄欠乏性貧血や鉄欠乏症になる頻度は、スポーツをしている子供の方がそうでない子供に比べ明らかに多いことが分かった。

 スポーツ貧血は、進行すると本格的な貧血となり、動悸(どうき)や息切れなど酸素不足の症状が表れる。こうした症状に気付いた時には、すでに体内の鉄分の半分以上が失われているため、早期発見が大切だ。

 「持久力が落ちたと感じたり、むやみに氷が食べたくなったりしたときは、通常の血液検査だけではなく、体内の鉄分不足が分かる血清フェリチンもしくは総鉄結合能の検査ができる内科、あるいは小児科で診察を受けてください」(北島院長)。鉄欠乏症の段階で発見できれば、治療は1カ月ほど鉄剤を服用するだけで済む。

 一方、予防のために北島院長は、靴底にクッションの入ったスポーツシューズで運動することのほか、高温多湿などの天候下での運動を避けることなどを呼び掛けている。

(編集部)

2008年4月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)