2012年04月09日 16:18 公開

増える腎臓がん、尿検査と超音波で早期発見を

転移なければ手術で根治

 腎臓は血液をろ過して不要な老廃物を尿として排出したり、体の水分の調節したりしている重要な臓器。近年、食生活の欧米化、高齢人口の増加に加え、画像診断の進歩などの結果、病院で腎臓がんを指摘される人が増えているという。東京医科歯科大学医学部付属病院泌尿器科の木原和徳教授は「腎臓がんの早期発見には、尿検査と超音波検査を受けて」と勧める。

無症状で発見多い

 腎臓がんに特徴的な3大症状は「血尿、脇腹の痛み、脇腹のしこり」といわれてきたが、無症状で発見される例がはるかに多くなっている。腎臓がんの治療には放射線療法や化学療法はあまり効果的でない。このため、転移がない場合には、手術で根治を目指す。

 腎臓は左右に1つずつある。手術には、がんに侵された方を、腎臓を包む脂肪ごと摘出する全摘除と、がんとその周囲を切除する部分切除の2つがある。部分切除は状況にもよるが、通常は直径が4センチ以下のがんが対象となる。

 手術方法には、

  • 安全性は比較的高いが、傷跡が大きく、術後2~3週間の入院が必要な開放手術
  • 傷跡が小さく、数日で退院可能な低侵襲手術

―の2つがある。今でも半数以上で開放手術が行われている。低侵襲手術には、20年ほどの歴史がある腹腔(ふくくう)鏡手術と、ミニマム創内視鏡下手術がある。

高い5年生存率

 腹腔鏡手術では、おなかに0.5~1センチの穴を4カ所ほど開け、内視鏡や手術器具を挿入。さらに切除した腎臓を取り出すために、穴を5センチ前後に広げる。対象となるのは直径7センチ以下のがんだ。

 ミニマム創内視鏡下手術では、腎臓が取り出せる大きさに切開し、手術器具の挿入と操作にも利用する。腹腔鏡手術では、手術の空間を確保するためにガスでおなかを膨らませるが、これが誘因となって合併症を起こすこともあった。しかし、新しい手術ではガスを注入する必要はない。

 通常発見されるがんは7センチ以下なので、これらのどの手術法も行える。7センチ以下では手術後の5年生存率は90%以上と成績が良い。

 木原教授は「小さな腎臓がんも超音波検査で発見できます。健康診断のとき、尿検査と腹部超音波検査を積極的に受けてください」と助言している。

(編集部)

2009年3月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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