2012年04月20日 13:51 公開

WHOの定期接種推奨ワクチン、日本ではいくつ導入済み?

4月21~28日は世界予防接種週間

 世界保健機関(WHO)は4月21~28日の「世界予防接種週間」に関連して、各種啓発資料を公式サイトで掲示した。ワクチン後進国といわれた日本も、この数年で数々のワクチンが利用可能となり、徐々に先進国とのギャップを埋めつつある。現在、WHOがすべての人を対象に定期接種を推奨しているワクチンは何種類で、このうち日本で定期接種化されているのは何種類に増えているのだろうか。

10種のうち5種が定期接種

 WHOが現在、全世界で定期接種を推奨しているワクチンはBCG、B型肝炎、ポリオ、DPT(ジフテリア、百日せき、破傷風混合)、ヒブ、肺炎球菌(結合型)、ロタウイルス、麻疹(はしか)、風疹(三日ばしか)、ヒトパピローマウイルス(HPV)の10種類。

 日本で定期接種が行われているのはこのうち、BCG、ポリオ、DPT、麻疹、風疹の5種類のみ。B型肝炎とロタウイルスを除く残りの3ワクチンについては現在、厚労省予防接種部会などで定期接種化に向けた議論が進行中だ。また、日本小児科学会は、B型肝炎のほか、ムンプス(流行性耳下腺炎)、水痘(水ぼうそう)ワクチンの定期接種化を要望している。

 2010年、WHOが発表した世界の予防接種率の進捗状況によると、乳幼児期に3回のB型肝炎ワクチン定期接種を実施している国は1989年当時、WHOに加盟する193カ国中23カ国にすぎなかったが、2010年には179カ国まで増加している。日本はこの中に含まれていない。

予防接種浸透で"不要論"に警戒感

 WHOは、予防接種は最も効果的かつ費用対効果の高い医療の1つとする一方で、「皮肉なことに、予防接種で数々の感染症を目にする機会が激減するにつれ、予防接種がもう必要ないとの意見が保護者や医療関係者から出てくる」と警戒感を示す。接種率の低下はジフテリアや麻疹、ポリオなどの復活につながるとして、予防接種の継続が重要と強調する。

 WHOが今回のキャンペーンで掲げるキーメッセージの概要は次の通り。

  • 交通網の発達した現代社会で、感染症のアウトブレーク(集団発生)は共通の脅威
  • 世界のほとんどの国でポリオフリーを達成し、根絶に向け取り組んでいる。ただし、流行地域からのウイルスの広がりが起こる非常に危険な時期でもある。2011年にはポリオ流行のない12カ国で、ポリオによる麻痺の報告が300件あった
  • 自分と家族の予防接種状況を確認する。接種状況が不明な場合、旅行前や多くの人が集まる場所に行く前にかかりつけ医などで予防接種を実施し、自分の国や外国にワクチンで防げる病気を持ち込まない、持ち出さないよう努める
  • 予防接種はワクチンで防げる病気による衰弱性の病気、障害、死亡を防ぐ
  • ワクチンには命を救うだけでなく、子供が健康に育ち、教育を受け、より良い将来を見通す機会を与える力がある
  • WHOとパートナーはワクチンの次の10年として、生涯を通じた予防接種の重要性の啓発や世界中の人々が予防接種の利益を受けられる取り組みを進めていく

(編集部)

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