原千晶さんインタビュー(子宮がんとの闘い)(4)

2012年05月07日 10:04 公開

原千晶さんインタビュー(子宮がんとの闘い)(4)

第4回:生きることにたくましくなった自分を実感

――がんを経験して性格や考え方、食生活や生活習慣などに変化はありましたか。

 私は、自分が2度もがんにかかったのは性格による部分が大きいと考えています。何でも白黒つけたがり、一度嫌な目に遭うとずっと引きずってため込んでしまうような、負のエネルギーの強さが災いしたのではないかと...。けれども、2度目のがんの後は結婚したこともあり、温厚な主人の性格に助けられながら、嫌なことがあっても大抵は流せるようになりましたね。現在は「今を生きる」ことを信条にしていますが、むやみに過去を憂いたり未来を案じて不安になったりせず、生きることに対して肝が据わったように感じています。

 食生活の面では、闘病中に10キロ近く太ってしまったこともあり、ダイエットの意味も込めて玄米菜食を心掛けています。それから、酵素を手作りして毎日飲んでいます。病気をしてから人間の生理の大切さが身にしみたので、食べ物をおいしくいただくこと、質の良い睡眠を取ること、しっかりとした排泄ができるように日々気を配っています。

――2011年、患者の会「よつばの会」を設立されたきっかけは?

 病気を世間に公表した後、それまでやっていたブログで読者からのコメントを受け付けるようにしたら、女性特有の病気を抱えている方、抱えていた方からものすごい数のコメントをいただいて、一人ひとりにお返事をするなどしばらくはインターネット上で交流をしていました。
でも、いろんな人とやり取りするうちに、皆直接会って話したいんじゃないかと思い始めたんです。病気のことを周りの人には話しづらくても、同じような経験をした人同士なら話しやすいかもしれないということと、私自身もっと話したくなったことがきっかけとなりました。

――闘病中の方の話を聞いたり自身の経験を思い出したりして、時につらい思いをすることはないですか。

 私はいつも、1日に起こったことを主人に話していますが、彼がまた過剰に親身じゃなくていいんです(笑)。私にとって、彼の存在自体が大きな支えとなっています。話すことで適度にガス抜きしてパワーを充電し、余った分をよつばの会のメンバーにおすそ分けしているという感じですね。それから、ものを作ることが大好きなので、せっけんやバッグを作ったり、編み物をしたりと、時間を忘れて楽しく熱中することでリフレッシュしています。

 がんを経験して人の手助けがいかに重要かを痛感したので、可能な限りフォローができるように努力していますが、最後はその人の生きる力が頼りだと思っています。人は人、自分は自分、という冷静な心も大切にしています。

――女性として伝えたいことや、今後やっていきたいことを教えて下さい。

原 千晶さん

 女性は、仕事をしていると結婚や出産のタイミングに悩んだりだとか、社会生活を送る上でさまざまな壁に遭遇しますよね。女性としての自分と、社会的な自分の狭間で悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。でも、考えて悩んで成長していけることに深い意味があると思うんです。若いうち、それこそ中学生や高校生くらいから、女性としての自分を本当に大事にしてほしいと心から願っています。

 よつばの会では、何かしらを抱えている人がちょっとでも吐き出せて、それを皆で共有し、分かち合えるような場として、今後も盛り立てていけたらいいですね。

(取材:編集部/撮影:さとうわたる)

原 千晶(はら ちあき)

 1974年、北海道生まれ。94年に第21代「95クラリオンガール グランプリ」に選ばれ芸能界デビュー。以降、ドラマや映画、バラエティー番組などで幅広く活躍している。31歳で子宮頸がん、35歳で子宮体がんを経験したことをきっかけに、がんに関する情報を積極的に発信。2011年には、女性特有のがん患者が集う患者会「よつばの会」を発足した。趣味は読書、文章を書くこと、手芸、せっけん作り、ピアノなど。剣道は初段の腕前で、2004年にアロマインストラクターの資格を取得。

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