2012年05月08日 14:48 公開

子供のWPW症候群、10~20%に不整脈起こる

健康診断での発見多い

 WPW症候群は聞き慣れない病名だが、小・中学校の健康診断で発見されるケースが多く、患者の10~20%に不整脈が起こることがある。親は戸惑うだろうが、「まずどんな病気か理解して」と、日本大学医学部(東京都)小児科学分野の鮎沢衛准教授はアドバイスしている。

気分悪くなり動悸も

 WPW症候群はウォルフ、パーキンソン、ホワイトの3人の医師の頭文字から付けられた病名。心臓に電気信号を送る刺激伝道系の異常によって起こる。

 「通常の電気刺激系の回路だけでなく、先天的あるいは後天的に副伝導路というバイパスができている病気です。学校健診の心電図検査で300~400人に1人の割合で見られますが、問題はその10~20%が発作性上室性頻拍という不整脈を起こす点です」(鮎沢教授)

 発作性上室性頻拍が起こると、気分が悪くなる、動悸(どうき)がする、頭がぼーっとする、嘔吐(おうと)するといった症状が見られる。

 「頻拍は突然起こり、突然治まるのが特徴です。起こっている時間の長さは個人差がありますが、短くても軽視しないで小児科を受診すべきです。心房細動という不整脈を合併すると、まれに生命に関わる危険性もあります」(鮎沢教授)

年1回は心電図検査

 治療は病態によって異なり、頻拍発作が多い、あるいは症状が強い場合はカテーテルアブレーションという根本的な治療法がとられる。これは、脚の付け根などからカテーテルを挿入して、副伝導路の組織に高周波を流して焼き切る治療法。5~7日の入院が必要なものの、根本的に治療できるという。

 このほか、電気刺激の伝わる速さを遅くするカルシウム拮抗(きっこう)薬などによる薬物療法もあるが、子供が長期間服用していると低血圧になるなど副作用の問題があるのであまり勧められないようだ。

 「一方、心電図の異常だけで発作がない場合は、念のため超音波検査で他の心臓病がないか診てもらうのが第一です。それでWPW症候群と分かれば、1年に1回は心電図検査を受けて経過を観察するとよいでしょう」(鮎沢教授)

 日常生活は従来通りで構わないので、必要以上に神経質にならなくてよいという。

(編集部)

2009年6月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)