2012年05月09日 10:29 公開

柑橘類で女性の脳梗塞リスクが低下―米研究

フラボノイドの一種が作用

 英イーストアングリア大学栄養学のAedín Cassidy教授らは、女性がフラボノイドの一種で柑橘(かんきつ)類に含まれるフラバノンの取ることで、脳梗塞にかかるリスクが低下すると米医学誌「Stroke」(2012; 43: 946-951)に発表した。今回の研究は女性を対象としたもので、男性への効果は確認されていない。

19%のリスク低下

 今回の研究では、米国の女性看護師を対象とした研究に登録した6万9,622人を対象に、果物や野菜などを含む食事に関する詳細なデータを4年ごとに収集。14年間追跡し、米国で一般的に摂取されている主要なフラボノイド6種類(フラバノン類、アントシアニン類、フラバン-3-オール類、フラボノイドポリマー類、フラボノール類、フラボン類)と脳卒中リスクの関連が検討された。

 その結果、総フラボノイド摂取量と脳卒中リスクとの間には、統計学的に有意な関連性は認められなかった。しかし、柑橘類に含まれるフラバノン摂取量が最も低い女性と比べ、最も高い女性では脳梗塞リスクが19%低いことが分かった。

ジュースでなく果実での摂取を

 今回の研究では、フラバノンの主な摂取源はオレンジとグレープフルーツのジュースが63%、オレンジの果実が34%、グレープフルーツの果実が4.8%だった。Cassidy教授らによると、市販のフルーツジュースには糖類が多量に含まれているため、ジュースではなく果実での摂取を増やすことが推奨されるという。

 先行研究では、さまざまな結果が得られている。例えば、柑橘類は脳卒中を予防するが、他の果物では認められないことを示す研究もあれば、黄色やオレンジ色の果物の摂取ではなく、リンゴやセイヨウナシなどの白色果物の摂取で脳卒中リスクの低下が認められるとする研究もある(関連記事)。

 さらに、スウェーデンの女性を対象とした研究では、ビタミンCやポリフェノール、フラボノイドなど抗酸化物質の摂取量が低い人と比べ、最も多い人(約50%は野菜や果物からの摂取)で脳卒中リスクの低下が認められている。

 Cassidy教授は「果物と野菜を多く取ること、特にビタミンCの摂取が脳卒中リスクを低減させることは、これまでの複数の研究で示されている。フラボノイドは、血管機能の改善や抗炎症作用などの複数の仕組みを経てそうした保護作用を提供すると考えられている」と述べ、フラバノンの摂取と脳卒中に関するさらなる研究の必要性を訴えている。

(編集部)

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