2012年05月11日 14:48 公開

高齢者に多い膝痛の対策―いすやベッドなど洋風生活を

適度な運動も不可欠

 膝の痛みに悩むお年寄りは多い。そのほとんどが変形性膝関節症だ。いすやベッドの利用など生活様式の工夫や運動などで痛みを軽減できると、北里大学医学部(神奈川県)整形外科の占部憲・准教授はアドバイスする。

トイレも洋式に

 変形性膝関節症のお年寄りは、全国で700万人から1,000万人いると推定されている。老化や肥満、筋力の低下などによって起こる病気だが、膝が痛いからといって活動を控えると筋力は余計に低下する。逆に、痛みをこらえて無理をするのも良くない。

 「日常生活の動作を維持するには、生活様式の洋風化がポイントになります。具体的にはいす、テーブル、ベッドを利用し、トイレは洋式にするとよいのです」(占部准教授)

 いすはソファなど腰が沈み込むものではなく、座ったときに膝の関節が直角になる高さのものが理想的だ。

 「ベッドは足を下ろすとすぐ立ち上がれるので、膝への負担が少なくて済みます。畳に敷いた布団だと、立ち上がるときにバランスを崩して転倒する危険性がありますが、それも避けられます」(占部准教授)

外出時にはつえを

 このほか、外出時には靴底で衝撃を吸収するウオーキングシューズやつえ、買い物をするときにはカートを利用する。

 「つえを悪い方の膝と同じ側の手で持つ人がいますが、それでは正常な歩き方はできません。左ひざが痛い人なら、反対側の右手で持つのが正しいのです」(占部准教授)

 生活の見直しとともに欠かせないのが、適度な運動による筋力強化と動かせる範囲の維持だ。

 「膝の痛みがあってもできるのが、セッティングという運動です。これはあおむけに寝て、膝の下に畳んだバスタオルを置き、それをつぶすように脚を伸ばす運動で、体重を掛けないでできます。できる範囲で行い、続けることが大切です」(占部准教授)

 一方、変形性膝関節症でも痛みがなければ、適度の散歩や浅く膝を曲げる運動をするとよい。ただ、「歩行時には膝に体重の3倍の負担が掛かるので、肥満の人は少しずつでも減量を」と占部准教授は助言している。

(編集部)

2009年4月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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