2012年05月21日 14:48 公開

男の子に多い漏斗胸―胸がへこみぜんそく伴う場合も

必要なら手術も可能

 胸の真ん中がロート状にへこんでいる漏斗(ろうと)胸。男の子に多く、プールなどに入る機会の多い夏は気に掛ける親もいる。必要なら手術という方法もあるが、順天堂大学医学部(東京都)小児外科の岡崎任晴准教授に対応法について聞いた。

小学校入学前後に相談を

 漏斗胸は、子供1,000人当たり1~3人に見られると報告されている。岡崎准教授は「はっきりとした原因は分かっていませんが、肋軟骨(ろくなんこつ)と胸郭の発達のアンバランスが一因と考えられています。男女比は8対2ぐらいで、なぜか男の子に多いのです」と説明する。

 幼児期頃から胸のへこみが目立ってくるケースが多い。それに伴いぜんそくに似た発作や風邪を引きやすいとか、運動時に呼吸困難などの症状を起こす例もある。

 「漏斗胸のうちこうした症状が出てくるのは3割ほどで、親が心配するのは外見上の問題からというのが多いのです。気になるなら、小学校入学前後ぐらいに最寄りの小児科に相談し、小児外科か形成外科の専門医を紹介してもらうとよいでしょう」(岡崎准教授)

 心電図やレントゲン検査、コンピューター断層撮影(CT)による検査で治療が必要と診断された場合は、適切な時期に手術が行われる。

手術には3つの方法

 代表的な手術法としては現在、次の3つがある。

  1. 肋骨(ろっこつ)と胸骨を切り離して反転させる胸骨翻転(ほんてん)法
  2. 肋骨と胸骨を切り離して持ち上げる胸骨挙上法
  3. 最近行われ出した胸骨挙上法の一種で、肋骨の裏側に金属棒を入れて持ち上げるNuss(ナス)法

 「胸骨翻転法と胸骨挙上法は1度の手術で済みますが、胸の中央に手術の傷跡が残ります。一方、ナス法は金属棒を約2年間胸の中に留置して胸骨を持ち上げます。ただし、この手術は脇から行うので傷跡が目立たず、金属棒が入っている間も学校生活や運動が可能で、本人や家族の満足度は高いようです。それぞれの手術法の特徴を医師とよく相談してから受けるとよいでしょう」(岡崎准教授)

 漏斗胸が軽度でぜんそくなどの症状がなくても、精神的ストレスが強いときは手術が行われることがある。

 岡崎准教授は「こうしたケースによる手術の場合は、骨が最も発達する小学校の中学年から高学年に手術を受けると効果的です」とアドバイスしている。

(編集部)

2008年7月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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